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導入事例

多摩大学

LenovoのHCI製品が実現するニューノーマル時代の「現代の志塾」

導入について

学生の情報教育のためのICT環境をどのような形で提供するか?

「国際性」「学際性」「実際性」という3つの理念を掲げて1989年に開学した多摩大学は、「現代の志塾」という教育理念の下、実業界の第一線で活躍する実務家教員を数多く招へいし、社会に即戦力となる人材を世に送り出してきた。現在は多摩キャンパスの経営情報学部で約1500人、湘南キャンパスのグローバルスタディーズ学部で約600人、大学院経営情報学研究科で約50人の学生を抱え、産業界や地元自治体とも密接に連携しながら独自の実務教育を推進している

経営情報学部では開学以来、経営と情報のつながりを深く学び、実務上必要な高度な知識を学生に吸収してもらうために、PCを用いた教育に早くから力を入れてきた。2001年には早くも全学生にノートPCを貸与する取り組みを始め、先進的な情報教育で広く知られてきた。しかし多摩大学 教務課(情報責任者) 課長 公平正一氏によれば、2015年ごろからこうした施策に対して「改善の余地があるのでは?」との声が挙がるようになったという。

「タブレット端末やスマートフォンがビジネスシーンでも広く使われるようになり、ノートPCという形態にこだわり続けることが必ずしも先進的な教育効果を生むとは言いづらくなってきました。またノートPCを持参しなければ講義を受けられないような環境は、『最新のICT技術の進歩にキャッチアップできていないのでは?』との声もありました」

そこで同学は2018年から、学生がPC作業を行うためのデスクトップ環境を、クラウドサービス上の仮想環境として提供する「DaaS(Desktop as a Service)」の利用を試験的に始めた。Windows OS上にOfficeアプリケーションなど基本的なアプリケーションをあらかじめ導入した一般学生向けの環境や、プログラミングツールや統計ツール、3Dグラフィックソフトなど一部の講義で利用する高負荷なアプリケーションをあらかじめ導入した環境をクラウド環境上で用意し、学生は自身が所有するノートPCやタブレット端末からこれらにアクセスして作業を行う。

こうした方法をとることで、デバイスの種類や利用場所、時間などにとらわれることなく、学生が自由に学びのための作業場を確保できるようになった。しかしその一方で、幾つかの課題も新たに露呈したという。

同大学 教務課 情報担当の江藤伸吾氏は語る。
「デスクトップ環境に対してインターネット越しにアクセスする必要があるため、講義開始直前などアクセスが集中するタイミングではなかなか接続できないことがありました。また、講義で利用する一部の重いアプリケーションがうまく動かなかったりと、スペック上の制約もたびたび問題になりました」

「ThinkAgile VX3320」をベースにしたVDI基盤を新たに導入

こうした課題を解決し、かつ学生にデスクトップ作業のための仮想環境を柔軟に提供するために、同学はクラウドサービスに代わり、オンプレミスのVDI(仮想デスクトップ)基盤を新たに導入することにした。学内からのアクセスはインターネットを介さない学内ネットワーク経由となるため、アクセスにまつわるトラブルは起こりにくく、またスペックの調整も柔軟に行えると判断した。

早速、VDI基盤を構築するためのインフラ製品の選定を始めたが、公平氏によれば「製品の選定基準として“システム規模の拡張性”を何より重要視した」という。

「既に入学時にPCを提供している学生に関しては、卒業するまでそれを使い続けてもらい、これから新たに入学してくる新入生に対して新たに仮想デスクトップ環境を入学時に順次提供していく予定でした。従って、VDIの利用規模を段階的に拡張しやすいシステムアーキテクチャが求められました」

そこで白羽の矢が立ったのが、Lenovoが提供するハイパーコンバージドインフラ(HCI)サーバー製品「ThinkAgile VX3320」だった。Lenovoのサーバーハードウェア技術と、VMware社のストレージ仮想化技術「VMware vSAN™」を組合せたHCIプラットフォーム製品で、サーバーノードを追加することで柔軟にシステム規模を拡張できるようになっている。

同製品以外のHCI製品も選定候補に挙がったものの、将来の規模拡張を視野に入れた場合のコストパフォーマンスや、他大学におけるVDI運用の実績などを考慮し、最終的にThinkAgile VX3320の正式採用が決まった。

同製品を使ったVDI環境の構築プロジェクトは2018年に立ち上がり、2019年4月の新入学からの適用を目指して作業が進められた。実際に導入作業に当たった富士ゼロックス多摩株式会社 営業統括部 システムエンジニアリング部 SE-2グループ 湯川知佳氏によれば、VDIインフラの構築作業は概ねスムーズに運んだという。

「VDIインフラの初期構築作業は、特に大きな問題もなくスムーズに進めることができました。仮想デスクトップ環境上でユーザーが利用するアプリケーションの動作検証には多少時間がかかりましたが、最終的には当初の予定通り、2019年度の新入生向けに無事VDIのデスクトップ環境を提供できました」

利用学生数の増大に伴いシステム規模を段階的に拡張

現在、多摩キャンパスの経営情報学部の学生が利用できるVDIのデスクトップ環境には、Officeアプリケーションなど基本的なアプリケーションが利用できるベーシックな環境と、3Dグラフィックソフトや統計ソフトなど高負荷なアプリケーションが利用できる高スペックな環境の2種類が提供されている。VDI基盤は多摩キャンパス内のサーバールーム内で運用されているため、学内ネットワークを通じて高速アクセスできるようになっており、かつて利用していたDaaSで問題になっていたアクセスやスペックの問題はすべて払拭された。

またVDI環境の提供と合わせ、学生に対するPCの配布もやめたため、教務課におけるPCサポートの業務がほぼなくなり、大幅な業務効率が実現できたという。

「かつては学生に配布したPCの故障対応やトラブル対応に奔走していましたが、VDIに切り替えて以降は学生の私物デバイスからVDI環境にアクセスしてもらう運用に変えたため、PCサポートの業務負担が激減し、教務課の業務効率が大幅に向上しました」(公平氏)

なお2019年の初期導入の翌年には、今度は2020年度の新入生向けにVDI基盤の拡張を行った。ThinkAgile VX3320のノードを追加し、400人の新入生向けにVDIの同時接続数を増やすと同時に、これまで別のサーバーの仮想化環境上で運用してきたサーバー十数台もあわせてThinkAgile VX3320上でまとめて運用することにした。

「あらかじめ同時接続数の増加予測や、各種サーバーの処理負荷などを算出して必要なリソース量を割り出していたため、規模拡張後もパフォーマンス上の問題は一切起きていません。またノードの追加作業自体も、ファームウェアのアップデート作業に若干手間取ったものの、概ねスムーズに終えることができました」(湯川氏)

今後はすべての学生にVDI環境が行き渡る2022年度まで、新入生が毎年入学してくるタイミングで順次規模を拡張していくとともに、他のキャンパスに対しても同様の仕組みを展開していく計画もある。現在は2021年度の新入生を迎えるに当たって具体的な拡張規模を検討するとともに、グローバルスタディーズ学部を擁する湘南キャンパスに通う学生向けにも同様のVDI環境を提供する予定もあるという。

「ThinkAgile VX3320はVDIの基盤としてはもちろんのこと、それ以外の用途でも大きな可能性を秘めています。GPUを搭載してエッジAIのプラットフォームとしても利用できますから、例えば学生の問い合わせに24時間・365日答えられるチャットボットのような仕組みを開発・運用するなど、個人的にはさまざまな用途に活用していきたいと考えています。Lenovoさんの製品は今回導入したサーバー製品だけでなく、学生に配布するPCとしても長らく採用してきました。今後も引き続き、充実した学習環境を実現するための製品やサービスを提供いただければと思います」


パートナーの声

多摩大学のICTパートナーとして長年同学のシステム構築・運用を支援してきた富士ゼロックス多摩の湯川知佳氏は、VDI基盤としてのThinkAgile VX3320のポテンシャルを次のように評価する。

「サーバーとストレージ、SANの機能がすべて1つになったHCI製品のメリットを生かして、初期構築の作業は極めてシンプルに運ぶことができました。おかげで、デスクトップ環境のプロビジョニングやアプリケーションの検証などの作業に十分な時間を割くことができました。またシステム拡張に際しても、VMware vSAN™の機能を通じて極めて簡単にノードを追加できました。今後予定される拡張においても同様に、少ない工数で安全に作業を行えるのではないかと期待しています」

左より
多摩大学 教務課 情報担当 江藤伸吾氏
多摩大学 教務課(情報責任者) 課長 公平正一氏
富士ゼロックス多摩株式会社 営業統括部 システムエンジニアリング部 SE-2 グループ 湯川知佳氏


「製品の選定基準として“システム規模の拡張性”を何より重要視しました。」

多摩大学
教務課(情報責任者)
課長
公平正一氏

「将来の規模拡張を視野に入れた場合のコストパフォーマンスや、他大学におけるVDI運用の実績を考慮し、選定いたしました。」

多摩大学
教務課 情報担当教務課 情報担当
江藤伸吾 氏

「SANの機能がすべて1つになったHCI製品のメリットを生かして、初期構築の作業は極めてシンプルに運ぶことができました。」

富士ゼロックス多摩株式会社
営業統括部 システムエンジニアリング部
SE-2 グループ
湯川知佳 氏

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