導入事例
ティーエスアルフレッサ株式会社
概要
ティーエスアルフレッサ株式会社は、大規模なPCリプレースにより、業務環境の大幅な改善と環境負荷低減を同時に達成しました。長年使用したPCから最新のレノボ製ThinkPadシリーズへの刷新で、社員からは「ストレスなく仕事ができる」と好評です。同社は親会社のアルフレッサ ホールディングスが掲げる2050年度CO2排出量実質ゼロを目指す環境方針に沿って、年間削減目標として606トン(2024年度)を設定。「レノボ CO2オフセット・サービス」導入により製品のライフサイクル全体で577.5トン(製品使用期間4年分)のCO2をオフセットし、環境目標達成への具体的な貢献を実現しました。
課題
長年使用したPCの処理能力不足が業務に支障をきたしていた。特にZoomなどのテレビ会議やメタバース環境での作業が困難で、ノートPCのバッテリー持続時間は2年程度で大幅に低下し、外出先での業務に影響を及ぼすなどの問題が生じていた。
ソリューション
高性能なAMD Ryzen™5 PRO プロセッサ搭載のThinkPad L14/L15 Gen 4とAMD Ryzen™ 55600GE プロセッサ搭載のThinkCentre M75q Tiny Gen 2 を1,140台導入。快適な作業を実現するとともに、「レノボ CO2オフセット・サービス」によりPCライフサイクル全体でのカーボンニュートラル化を目指した。
導入効果
高性能PCの導入により業務効率が向上し、RPAやAI活用など新たな取り組みへの可能性が広がった。さらに577.5トン(製品使用期間4年分)のCO2をオフセットし、ティーエスアルフレッサが掲げる年間CO2排出削減目標606トン(2024年度)の達成に貢献した。
導入
医療現場を支える医療総合商社アルフレッサグループ全体で環境負荷低減にも取り組む
ティーエスアルフレッサは、広島県広島市に本社を置き、医薬品卸売業界の主要企業として、中国地方全域で医療インフラを支えています。医療用医薬品や医療機器、検査試薬等をはじめとする医療用医薬品等卸売事業を展開し、1,181名の従業員(2024年4月1日現在、パート社員含む)が中国地方27支店を拠点に活動しています。
同社は、医療総合商社として積み重ねた経験値、高い専門性により、多角的なサービスを展開し、医療に関わる多様な領域をトータルでサポートしているのが特徴です。
環境問題への対応も、同社の重要な経営課題です。親会社であるアルフレッサホールディングスは2050年度までにCO2排出量実質ゼロを目指すと宣言しており、グループ各社はそれぞれの事業特性に合わせた取り組みを進めています。医療用医薬品等卸売事業は配送用の車両を多く使用する業態であるため、車両からのCO2排出量削減は特に重要な環境対策となっています。グループ全体では2020年度を基準として、短期目標として2024年度末までに10%、中期目標として2030年度末までに30%のCO2排出量削減目標を設定しており、電気自動車の導入や省エネ施策など多角的なアプローチで環境負荷の低減を進めています。

長年使用したPCの処理能力不足がビジネス変革の足かせにリプレースの決め手は品質とサポート
ティーエスアルフレッサでは、導入から6年が経過したPCの性能低下が業務に支障をきたすようになり、社内パソコン環境の刷新を検討し始めました。特にコロナ禍以降、急速に普及したZoomなどのテレビ会議システムの動作が重く、円滑なコミュニケーションの妨げに。メタバース空間での業務など、先進的な取り組みを進めようとしても、既存PCの性能では対応が難しい状況でした。
ノートPCは持ち運んで使用することが多く、バッテリーの消耗も大きな課題となっていました。なかには2年程度でバッテリーの持続時間がかなり低下するケースも見受けられ、外出先での業務に支障をきたすことがありました。
各ベンダーの製品を比較検討する中で、レノボ担当者の熱意ある対応にも好印象を抱きました。その結果、最終的にレノボのThinkPadシリーズとThinkCentreによる大規模リプレースに至りました。
「私たちが重視したのは、コストパフォーマンスとアフターサービスの充実度でした」とIT企画部長の河野英治氏は説明します。「レノボはAMD APUを採用することで、高い性能を維持しながらも価格面での提案力を発揮してくれました。また、故障時の保証範囲の広さや、ノートPCのバッテリー交換サービスなど、他社にはない手厚いサポート体制も評価のポイントでした」。
また、IT企画部 課長の中垰憲一氏も「デザイン性の高さも選定理由の一つでした。ThinkPadのトラックポイントを含めた洗練された外観は、使う人のモチベーションにも好影響を与えています」と言及。こうした製品の魅力に加え、最終的な決断を後押ししたのが、環境面での貢献を可能にする「レノボ CO2オフセット・サービス」だったのです。
4年間で約577.5トンのCO2をオフセット大規模リプレースで実現したCO2排出量削減の取り組み
レノボのPCが最終的に選ばれた決め手の一つとなった「レノボ CO2オフセット・サービス」。このサービスはPCの製造、輸送、使用、廃棄までのライフサイクル全体で排出されるCO2を、カーボンクレジットによってあらかじめオフセットするものです。その背景には、国際的な環境貢献のネットワークが存在します。
レノボはパートナー企業であるClimeCo社と協力し、厳格な基準で認証された環境プロジェクトへの投資を通じてカーボンクレジットを取得。森林保全や再生可能エネルギー事業など、持続可能な社会づくりに貢献するプロジェクトを世界各地で支援しています。導入時に簡単な手続きを行うだけで、複雑な算出作業などを自社で行う必要がなく、効果的なカーボンニュートラルへの貢献を実現できます。
「我々は医薬品卸として、脱炭素で取り組めることが限られている中で、PCの導入を通じてオフセット・サービスという新たな選択肢を知り、ぜひ取り組みたいと思いました」と取締役専務執行役員管理本部長の澤井伸治氏は振り返ります。「アルフレッサグループでは半期に一度、グループ各社のCO2排出量削減の取り組みと成果を共有する報告会を実施しています。この場で、IT機器の刷新を通じた大規模なカーボンオフセットという新たな取り組みを報告できたことは、グループ全体の環境戦略においても大きな意義がありました」。
今回のリプレースで導入した1,140台のPCにより、4年間の製品ライフサイクル全体で約577.5トンのCO2排出量がオフセットとなります。単年度換算では約144トンのCO2排出量削減効果があり、ティーエスアルフレッサの2024年度の年間削減目標である606トンの約24%の数値です。また「約144トンのCO2排出量削減効果」というのは、一般家庭約84世帯が1年間に電気使用で排出するCO2量に相当します(※)。
さらに、導入したPCには鮮やかな緑色のCO2オフセットラベルが貼付されており、これが社内の環境意識向上にも一役買っています。「PCに貼られているオフセットラベルの意味を社内に説明する資料を作成し、環境への取り組みを見える化することで、社員の意識向上にもつながっています」(河野氏)。
卸売業における環境対策は、電気使用量の削減や配送車両の効率化など、限られた領域での取り組みが中心でした。業務の性質上、電気とガソリンという二つのエネルギー源に大きく依存せざるを得ず、CO2排出量削減にも自ずと限界があったといいます。

CO2オフセットラベル
このような状況の中、新たな環境貢献の方法を模索していた同社にとって、IT機器の調達を通じた環境貢献という発見は、新たな視点をもたらしました。日常的に使用するPCが環境貢献の手段にもなり得るという認識は、今後の設備投資や業務改善の判断基準にも影響を与えそうです。(※)環境省の「令和5年度家庭部門の CO2排出実態統計調査結果について(速報値)」の電気エネルギーによるCO2排出量1.73t-CO2を基に算出。
ハードなビジネス環境にも対応する機能性と省スペース性を備えたレノボの高性能PCを導入
今回の大規模リプレースで導入されたのは、AMD Ryzen™5 PRO プロセッサ搭載のThinkPad L14 Gen 4 AMD(620台)、ThinkPad L15 Gen 4 AMD(505台)、そしてAMD Ryzen™ 5 5600GE プロセッサ搭載のThinkCentre M75q Tiny Gen 2(15台)です。ThinkPad Lシリーズは、どこでも快適に作業できるモバイルPCとして、高いパフォーマンスと携帯性を兼ね備えています。いずれも、AMD Ryzenプロセッサを採用することで、コストを抑えながらも高い処理能力を実現しました。
ThinkPad L14/L15 Gen 4 AMDは、マルチタスク処理を容易にするAMD Ryzen™5 PRO プロセッサにより、テレビ会議やメタバース環境でも快適に動作します。ビジネスに特化した機能性も充実しており、Dolby Audioスピーカーによる会議音声のクリア化、指紋認証によるセキュリティ強化など、業務効率とセキュリティの両立を実現しています。
一方、超小型デスクトップのThinkCentre M75q Tiny Gen 2は、わずか1Lのコンパクトサイズながら、AMD Ryzen™ 55600GEを搭載し、エンタープライズレベルのパフォーマンスを提供。豊富なインターフェースを備え、最大3台までの外部ディスプレイ出力が可能で、マルチタスク、コンテンツ作成、データクランチなど、高負荷業務もスムーズに処理します。特にコンタクトセンターなどでは、限られたデスク上のスペースを有効活用でき、マウントブラケットを使えばディスプレイ背面への設置も可能なため、作業環境の効率化に大いに貢献しています。いずれの機種も、MIL規格テストに対応した高い耐久性を備えています。
「新しいパソコン環境になってから、業務効率が格段に向上しました。特にメタバースのような新しい環境にもスムーズに対応できる処理能力は、今後の新たな業務展開にも大きく貢献すると期待しています」(中垰氏)。
先進的な医療流通システムの構築と環境への取り組みを両立させるティーエスアルフレッサ。「PCリプレースの成果をさらに発展させ、DXの推進や社員のITリテラシー向上のための教育・研修を充実させていきます。また、環境に配慮しながらAIなど先進技術を活用した省力化・業務効率化にも取り組み、引き続き中国地方の医療インフラを支える役割を担っていきたい」と澤井氏は今後の展望を語ります。
お客様プロフィール
お客様 |
ティーエスアルフレッサ株式会社 |
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所在地 |
広島県広島市西区商工センター 一丁目2 番19 号 |
設立 |
1947年 |