特集 「軽さの中にも、ThinkPadの魂を」 ThinkPad X13 Gen 6 開発者が
語る
“妥協なき使いやすさ”の
追求

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「速く、正確に、疲れない」
伝統を軽くしても守り抜く

「ThinkPadのキーボード開発には、三つの哲学があります。速く打てること、打ち間違いが少ないこと、そして長時間打っても疲れにくいこと。この三点は、どんなモデルでも絶対に守るべき原則です。」
キーボードのメカニカル設計を担当した長瀬謙太郎は、ThinkPad X13 Gen 6の開発で最も難しかったのは「軽量化と打鍵感の両立」だったと語る。軽くするために素材を変えれば、剛性や感触が変わる。だが、ThinkPadのキーボードは“変えてはいけない価値”の象徴だ。
「今回、キーボードの根幹を支える板金パーツをステンレスからアルミに変更しました。アルミは軽い反面、柔らかくて打鍵時の剛性感が損なわれやすい。そこで、60本のネジ位置をシミュレーションで何度も検証し、最適な配置を見つけ出しました。結果として、アルミでも従来のステンレスと同等の打鍵感を実現できたんです。」


さらに、キーの下にあるラバードームの形状も一新した。
「押し込んだときに“ふわっ”と着地するような構造にしました。これにより、長時間のタイピングでも指先が疲れにくくなっています。」
軽量化のために素材を変えながらも、打鍵感を守るために構造を磨き上げる。

メカニカル設計の担当者のイメージ メカニカル設計の担当者のイメージ

「今回のX13 Gen 6のキーボードは、これまでThinkPadを愛用してくださった方々の期待を裏切らない仕上がりと自負しています。むしろ、より心地よく進化した打鍵感を体験していただけると思います。」
長瀬の言葉には、軽さの中に“ThinkPadらしさ”を宿すための職人としての誇りがにじむ。

堅牢性と使い勝手にこだわった
開発者のストーリーを見る

「見えないところで働くAI」
スマートセンシングが生む
快適さ

スマートセンシングの担当者のイメージ スマートセンシングの担当者のイメージ

「私の担当はスマートセンシングです。カメラやマイクなどのセンサーを使って、PCが“人の存在”を理解する仕組みをつくっています。」
スマートセンシング技術の開発を担当した莫立恒は、ThinkPad X13 Gen 6には、「CV on ISP」という新しいセンシング技術が搭載されている。これは、カメラモジュール内の小さなプロセッサーでAI処理を行い、ユーザーの存在を検知する仕組みだ。
「CV on ISPを活用することで、Human Presence Detection(HPD)、いわゆる人感検知機能を実装しています。ユーザーが画面を見ているか、席を外したかを常に検知し、必要に応じて画面を暗くしたりロックしたりします。これにより、セキュリティと省電力を両立できるんです。」

莫が特にこだわったのは、暗い環境でも正確に人を検知できることだった。
ノートPCにはスマートフォンのようなフラッシュライトがありません。だから、暗い場所で顔を認識するのはとても難しい。そこで、さまざまな照度条件でチューニングを重ね、どんな環境でも安定して検知できるようにしました。
もう一つの課題は、世界中のユーザーに対応すること。
「スキントーン(肌の色)は国や地域、人によってで大きく異なります。さまざまなシーンで正確に検知できるように、グローバル規模でデータを集め、AIモデルを学習させました。」
この技術は、ユーザーが意識しないところで働く。
「人がいないときは自動で画面を暗くし、電力を節約します。PCの中で最も電力を消費するのはディスプレイですから、これだけでバッテリーライフが伸びます。」
さらに、セキュリティ面でも効果を発揮する。
「席を外すと自動でスクリーンオフになります。個人情報が他人の目に触れるリスクを減らせるんです。」


莫は最後にこう語った。
「このスマートセンシングは、ユーザーが気づかないところで快適さを支えています。カフェや出張先など、どこでも安心して使える“賢い相棒”として、ぜひ体験してほしいです。」


「環境への配慮も、
使いやすさの一部」
サステナブル素材への挑戦

「私はThinkPadのESG開発を担当しています。特に“E”、つまり製品由来の環境負荷をいかに減らすかを考えることが仕事です。」
ESG(環境・社会・ガバナンス)領域の開発を担当した秋山紗良は、ThinkPad X13 Gen 6の開発において「環境配慮と製品品質の両立」をテーマに取り組んだと語る。
ThinkPad X13 Gen 6では、天面カバーに新素材「バイオベースドカーボンファイバー」を採用した。
「従来のカーボンファイバーは石油由来の原料を使っていましたが、今回は植物由来の廃棄物を原料にしています。軽くて強いという特性はそのままに、環境負荷を大幅に減らすことができました。」
さらに、見えない部分にも再生素材が使われている。
「キーボード面のカバーには再生マグネシウム、キーキャップには再生プラスチック、バッテリーフレームやアダプターにも再生材を採用しています。外からは見えない部分にも、環境への配慮を積み重ねています。」

ESG開発の担当者のイメージ ESG開発の担当者のイメージ

サステナブル素材を使うことは、単なる“エコ”ではない。
「お客様の中には、企業としてESGに取り組む方も多い。私たちが環境負荷を下げることで、お客様自身のESG活動の一助にもなると考えています。」
ただし、ThinkPadにとって“環境配慮”は“堅牢性を犠牲にする”ことではない。
「ThinkPadは信頼性と堅牢性で選ばれてきたブランドです。だから、新しい素材を使うときも、従来と同じ強度・品質を保てるように徹底的に検証しました。サステナブルであっても、ThinkPadとしての信頼性は絶対に妥協しません。」

秋山は最後に、開発者としての信念をこう語る。
「新しい素材を使っても、ThinkPadとしての堅牢性と信頼性をきちんと担保できるように、こだわって開発しています。環境に優しく、長く使える。
それが本当の意味での“サステナブルなユーザビリティ”だと考えています。」


「軽くしても、強く、
使いやすく」
構造設計の職人技

機構設計の担当者のイメージ 機構設計の担当者のイメージ

「軽くするということは、弱くなるということ。だから、軽量化と堅牢性の両立が最大の課題でした。」
機構設計を担当した橋倉誠は、ThinkPad X13 Gen 6の開発で“軽さと強さの共存”という本質的なテーマに挑んだ。軽量化のために、まず材料と厚みを徹底的に見直したという。「天面には炭素繊維を使っていますが、その糸のグレードを最適化して、約20gの軽量化を実現しました。キーボードを囲むパームレスト面は板厚を40%薄くし、30g以上の軽量化に成功しています。底面カバーも柔らかく軽い素材に変更しました。」
しかし、薄くすれば当然、剛性は落ちる。

「単体では柔らかくても、組み立てたときに“しっかり感”が出るように内部構造を工夫しました。外周の強度を確保し、ThinkPadらしい堅牢性を維持しています。」
軽量化だけでなく、日常の使いやすさにもこだわった。
「軽いからこそ、片手で開けられる“ワンハンドオープン”を実現しました。軽量モデルでは重心のバランスが難しく、ヒンジのトルク調整に苦労しましたが、どの構成でも同じ感触で開けられるように設計しています。」
さらに、修理性にも配慮した。
「底面カバーはネジ4本を緩めるだけで外せます。指をかける部分を設けて、簡単に開けられるようにしました。バッテリーもユーザー自身で交換可能です。ネジが落ちないように部品に追従する構造にし、少しずれても正しい位置に導かれるガイドを設けています。」


橋倉は、軽量化を“削る作業”ではなく“再構築”だと語る。
「パームレスト面の金属部品も、一度“なくしてみる”という発想から始めました。本当に必要な部分だけを残すことで、約30gの軽量化に成功しました。勇気を持って“当たり前を疑う”ことが、今回の設計の原点です。」


「見えない工夫が、
使いやすさを支える」
ThinkPadの哲学

ThinkPadのイメージ ThinkPadのイメージ

ThinkPad X13 Gen 6の開発者たちの言葉を並べると、共通して浮かび上がるのは「見えない部分へのこだわり」だ。
キーボードのネジ位置、カメラのAIチューニング、素材の選定、ヒンジのトルク。どれもユーザーが直接目にすることはない。しかし、それらが積み重なって“使いやすさ”を形づくっている。
長瀬は「打鍵感は数字では測れない感覚」と言い、莫は「AIが静かに働くことで快適さが生まれる」と語る。秋山は「環境配慮もユーザビリティの一部」と捉え、橋倉は「軽くしても強く、扱いやすく」を信条に設計を進めた。


ThinkPadの開発現場では、1グラムの軽さよりも“1回の操作の心地よさ”が重視される。
それは、単なるスペック競争ではなく、ユーザーの体験を中心に据えた“職人の哲学”だ。


「軽さの中に、
ThinkPadの魂を」

ThinkPadのイメージ ThinkPadのイメージ

長瀬は言う。
「このキーボードは、ThinkPadを愛してくださる方々の期待を裏切らない自信があります。こだわり抜いた打鍵感を、ぜひ体験してほしい。」
莫は続ける。
「スマートセンシングは、あなたが気づかないところで働いています。バッテリーを長持ちさせ、セキュリティを守る。そんな“見えない優しさ”を感じてほしいです。」
秋山は静かに語る。
「環境に優しい素材を使っても、ThinkPadの信頼性は変わりません。長く使えることこそ、最大のサステナビリティです。」

そして橋倉は締めくくる。
「軽くても、強く、使いやすい。ThinkPad X13 Gen 6は、そのバランスを極めた製品です。道具として、思い切り使ってください。」
軽量化というテーマの裏にあるのは、数字では測れない“人の手の感覚”だ。
ThinkPad X13 Gen 6は、軽さの中に確かな強さと使いやすさを宿した、まさに“職人たちの魂”が込められた一台である。

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