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特集

ThinkPad 選ばれる理由

ThinkPadと飛ばす流れ星

人工の流れ星を作る——何とも奇想天外なアイデアをビジネスにしようと試みているベンチャー企業がある。2011年に設立された「ALE」だ。そもそも流れ星が発生する原因は宇宙の塵が大気圏に突入することだと聞いたのが、そのアイデアの源泉だった。

同社は主に流れ星のもととなる特殊な金属製の粒(流星源)と正確に流れ星を発生させるための放出&供給装置の開発を手がけている。その装置に粒を詰め込み、人工衛星とともに打ち上げ、軌道上で粒を落とすとそれが流れ星になる。都会の夜でも見える明るさで、地球上のどこででも、直径200kmの範囲にいる人々が同時に楽しめるという。宇宙開発をエンターテインメントへと転換する大きな可能性を秘めている。

同社の海外マーケティングと営業を手がけるのが、山本理恵だ。父親の仕事の関係で英国に生まれ3歳まで育ち、一時帰国するも9歳からは米国暮らし。大学卒業後はマッキンゼー・アンド・カンパニーへ入社。それを機に日本へ帰国する。後に、ALEへと転職することになるのだが、そのきっかけをこのように話す。

PROFILE

ALE グローバル・ストラテジー
山本 理恵 氏

1988年英国生まれ。アメリカのブラウン大学経済学部国際関係学部卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニー サンフランシスコ支社入社。在籍中に認定特定非営利活動法人Teach For Japanへ出向する。2016年にALEへ参画。EventHub創業者。

「サンフランシスコのマッキンゼーにいて、日本語ができるだろうって、日本支社に来てプロジェクトに参加することになったんですけど、9歳から25歳までずっとアメリカにいたので、実はかなりカタコトで(笑)。あるとき知人が流れ星を作るベンチャーで働いていると聞いて、そのときは冗談で言っているのかなって真面目に聞いてなかったんです。当時のALEはまだ人も2〜3人しかいなかったんですが、アイデアが面白いと『サウス・バイ・サウスウエスト(米オースチンで開催されるベンチャー企業などが集まる大規模イベント)』への出展が経産省の支援で決まったんです。みんな英語もできないし1カ月でいいから手伝ってほしいと言われて。私自身、このビジネスについて知るうちにシンプルに宇宙という分野をエンタメ、遊びに使う、という発想に共感したんです。そして長く暮らした経験から、アメリカ人はこういったエンターテインメントって大好きだし、ノッてくれるんじゃないかと思っていたら、案の定すごい反響で。こんなに楽しそうなベンチャーだし、できるだけ早い段階から携わっていきたいなと感じたんです」

単なる夢物語に聞こえるかもしれない。しかし、このALEは東大卒、ゴールドマン・サックス証券戦略投資部出身という社長の岡島礼奈が立ち上げたベンチャー。国内の大学4校と連携し、人工衛星開発や粒の燃焼実験などを行いながら本格的に新たなフロンティアを開拓しようとしている会社だ。

その海外での事業展開を担う、山本にとって移動の供といえば、ThinkPadだ。

「マッキンゼーにいた頃からずっと使い続けています。向こうのコンサルって月曜から金曜はクライアントのところを巡るんですけど、北米は広いのでほとんど飛行機で移動していて、飛行機の中でもずっとThinkPadで仕事してました」

以来、山本がThinkPadを使い続けている理由の1つがキータッチの良さにあるという。

「これに慣れてしまったら、他はなかなか使えないですよね。実は当時、私が住んでいたサンフランシスコにいつも行くカフェがあって、そこでリモートワークするようなエンジニアたちは地元ですし、みんなほかのパソコンを使っているわけです。ところが、私がThinkPadを使っていると周りは気になるのか、『キミが使っているそのパソコンは何?』ってよく話しかけてくるんです。キータッチの良さを説明すると、だいだい触らせてってことになるんですけど、みんな口を揃えて“いいね”って言ってくれましたね。ちょっとは売り上げに貢献しているのかも(笑)」

ALEが本格稼働するのはもう少し先のことだ。2018年後半には人工衛星の初号機を打ち上げ、2019年に広島で初の人工流星イベントを開催する予定だ。

さて、今度は何人の“いいね”が もらえるだろうか。(敬称略)


今年29歳の山本氏は、2011年の就職を機にThinkPadを使い始めた。以来、現在で5台目になる機種はX1 Carbon(インテル® Core™ i7 プロセッサー搭載)。自身はイベント関係のベンチャー企業も経営しており、忙しい日々を送っている。「もうプライベートでも完全にThinkPadユーザーになりましたね。20代の女性がこれを使っているのが珍しいみたいで、今もたまに何でこれ使ってるの? って聞かれますけど(笑)」。そのコミュニケーションもまた楽しんでいるようだ。

(文:藤野 太一/写真:栗原 克己)

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