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導入事例

戸田建設株式会社

戸田建設がBIM on VDIを導入
全国の工事現場にBIM活用の環境をオンデマンドで提供
“施工のフロントローディング”を一挙加速へ

導入について

深刻度を増す建設業界の「人離れ」ITによる生産性向上が不可避の課題に

戸田建設株式会社は、1881年に東京で創業し、140年近い歴史を持つ総合建設会社(ゼネコン)です。年間の売上規模は約4,000億円(2017年度/単体)で、従業員数は約4,000人(2017年3月31日時点)。支店は国内大都市圏を中心に12カ所に広がり、東南アジアやブラジルなど、海外でも事業を展開しています。また、売上全体の70%強を建築事業が占めるという「建築主体」のゼネコンでもあり、進行中の工事現場が国内に約450ケ所あります。

そんな同社では現在、日本の建設業界が直面する「人離れ」の問題、言い換えれば、建設就労者の不足/高齢化の問題と真正面から対峙しています。
「2025年度までには日本の建設業界全体で125万人もの技能労働者が不足するとされています。このうち90万人分は、新規入職者の確保や処遇の改善などによる建設業の“魅力化”によって穴埋めしようとしていますが、それでも35万人分の労働力が足りません。その不足分は生産性向上で補うしかなく、それにはITの利活用が必須です。そしてそれは、我々も例外ではないんです」と、戸田建設本社 建築工務部 課長の池端裕之氏は語ります。

BIMによる建築施工の「フロントローディング」を推進

こうした考えの下、同社が強力に推し進めている施策の一つが、「BIM(Building Information Modeling)」による建築施工の変革、具体的には、施工のフロントローディングです。
建築施工のフロントローディングとは、設計や施工上の特徴をBIMモデルを使って見える化し、設計者・施工者・施主の早期合意形成をはかり、着工前に可能な限り早いタイミングで、施工にかかわるあらゆる課題を解決しておくことを意味しています。

池端氏によると、従来型の建築施工は、『基礎工事の段階で、建物の屋上の問題点の話をするのは、まだ早い』とばかりに、実際の建築工事の進捗にあわせて、発生した課題を都度解決したり、入れるモノを決めたりしていくなど、“場当たり的”とも言えるようなプロセスとなる場面が見られ、工事が進む中でも、発注者や設計者が「どのような品番のモノにするのか」など、なかなか最終決定しないケースも多くあったようです。

「こうした施工のやり方は非効率で、調達コストの削減も困難になりますし、工期の遅れも招きかねません。それに対して、我々のようなゼネコンが中心となり、着工前の早い段階でBIMの3Dモデルの作成、統合・重ね合わせを行い、問題点を洗い出し、解決を図り、施工に関する合意を形成しておけば、工事がきわめてスムーズに進み、早期調達によるコストの最適化も図れます。それが施工のフロントローディングのメリットであり、我々がBIMを重視する理由です」(池端氏)

工事現場へのBIMのさらなる浸透を目指しVDIの採用を決断

このフロントローディングを工事現場に定着させるべく、戸田建設ではBIM推進の組織を早くから立ち上げ、支店・施工中の工事現場などで働く社員へのBIM教育の体制を整えてきました。また、大型案件を手掛ける一部の工事現場では、すでにBIMによるフロントローディングを実践しています。
ただし従来は、工事現場でBIM活用のニーズが発生するたびに、BIMアプリケーションの稼働に耐えられるハイスペックのタワー型ワークステーションを導入・配備し、アプリケーションのライセンスも都度購入するというアプローチをとってきました。

このようなアプローチで、全国に広がる数多くの工事現場にBIM活用の環境を提供しようとすれば、ワークステーションへの投資が膨れ上がり、それらの運用管理負担も増大します。
「加えて、すべての工事現場が、恒常的にBIMアプリケーションやワークステーションを使い続けるわけではなく、プロジェクトが終了した時点で、導入したアプリケーションやワークステーションが不要になるケースも想定されます。ですから、ハードウェア投資に無駄が発生するリスクがありますし、アプリケーションのライセンス管理にも相応の手間がかかることになります」(池端氏)

しかも、タワー型ワークステーションは持ち運ぶのが困難です。
「そのため、BIM用にタワー型ワークステーションを導入したある工事現場では、関係者との合意形成会議の際に、BIMアプリケーションの画面をプリントアウトして持っていくという、非効率な作業を余儀なくされていました」(池端氏)

これらの課題を一挙に解決する手段として、戸田建設が選んだのは、BIMアプリケーションを仮想デスクトップ基盤(VDI)上で動作させる「BIM on VDI」の導入です。

BIM on VDIを導入すれば、ソフトウェアのバージョン/ライセンス管理の手間が大幅に低減されるほか、ロースペックのノートPCやタブレットからでもBIMアプリケーションの利用が可能になります。さらに、工事現場の求めに応じてBIMアプリケーションの利用環境を即座に提供し、不要になったら提供をストップさせるというオンデマンドの仕組みも実現されることになります。
「そうした利点から、VDIにはかねてから注目していましたが、BIMの推進側から、BIM活用の裾野を一挙に押し広げたいとの要望を聞き、VDIの導入に踏み切りました。BIM on VDIの構築にも相応の投資が必要です。ですが、工事現場へのBIM展開のために100台、200台のワークステーションを調達し、ハードウェアや、その上で動くアプリケーションを運用管理していく手間・コストを考えれば、BIM on VDIに投資したほうが、はるかに利が大きいと判断したのです」(戸田建設本社 価値創造推進室 ICT戦略ユニット主管 徳田 芳雄氏)

仮想化、CAD、GPUのすべてに精通したレノボのサーバーを選択

こうして戸田建設では、BIM on VDIソリューションの選定を進め、結果として、レノボのサーバー「System x3650 M5」(以下、System x)を用いた大塚商会の提案を採用しました。選定の理由について徳田氏は次のように説明します。
「決め手は、大塚商会とレノボがCADと仮想化の双方に精通し、我々が何をしたいかを理解していたからです。また、NVIDIA GRIDなどのGPUとその仮想化について深く理解し、BIM on VDIのための、しっかりとした基盤を提供できるサーバーベンダーは、日本ではほんのわずかです。レノボは、その希少な存在だったということです」

2016年8月にSystem x導入を決めた戸田建設では、それから4カ月ほどをかけてBIM on VDIのシステムを構築、翌年1月から正式運用をスタートさせています。構築された環境では、NVIDIA GRIDカードを搭載した3台のSystem xで50台のVMを構成、うち48台を仮想デスクトップ環境として動作させ、BIMアプリケーション(グラフィソフト「ARCHICAD」とオードデスク「Revit」等)を運用しています。VDIの基盤ソフトウェアとしては、VMware Horizonを用い、VMware vCenter Server による管理を行っています。このほかバックアップ用のサーバー1台と冗長構成をもつNASがシステムに接続されています。

「この構成で、70人程度のユーザーが、VMをシェアしながらBIMアプリケーションを活用しています。これまでにアプリケーションの性能についてのクレームは聞こえてきませんし、ハードウェアは安定した動作を続けています。システム的には期待どおりの性能を発揮してくれていると言えます」(徳田氏)

BIM利用環境の入手スピードが4週間からゼロ日へ現場のBIM体験を増大させ変革を加速

System xをベースにしたBIM on VDIのシステムは、すでに多くの効果を戸田建設にもたらしています。効果の1つは、BIMの利用環境を入手するスピードの劇的な向上です。
「これまでは、BIM活用に向けてワークステーション導入を申請しても、それが手元に届くまでに4週間ほどの期間が必要でした。ところが、BIM on VDIを使うと、BIMが使える環境が、その日のうちに入手できます。そのインパクトは小さくありません」と、戸田建設 本社 建築工務部の西山英治氏は話します。

また、ノートPCやタブレットでもBIMの3Dモデルが扱えるようになったことで、「経験の浅い若手の施工担当者でも、工事の完成形を立体的にとらえながら、工事現場各所の進捗や問題点を正確にチェックして回ることが可能になっています」(池端氏)。

さらに大きな効果として池端氏が挙げるのは、建築施工の担当者がBIMアプリケーションを手軽に利用し、フロントローディングのメリットが体験できるようになった点です。
「BIMに触れ、フロントローディングのメリットを肌身で感じれば、工事現場は率先してBIMの本格活用に取り組み始めます。また、その動きは自然なかたちで他の工事現場へと広がっていくはずです。フロントローディングという施工の変革を加速させるうえで、BIM on VDIという“BIMが手軽に使えて試せるインフラ”が得られた意義は大きいのです」

戸田建設では、BIM導入の敷居を下げる目的で、構造BIMモデルに平面図・立面図等を相互にリンクした「スターターBIMモデル」を工事現場に提供しています。BIM on VDIによって、このスターターBIMモデルの工事現場への展開もきわめて図りやすくなったと、池端氏は指摘します。
「すでに当社では、新築工事を手掛ける主要な工事現場にスターターBIMモデルを配布し、BIM on VDIの環境を通じて、BIM活用の促進を図っています。この施策によって、BIMを活用したフロントローディングに対する現場の理解が一挙に広がると考えていますし、System xベースのBIM on VDIならば、その施策遂行をしっかりと下支えしてくれると期待しています」

建築事業が主体の当社にとって、建築施工のフロントローディングはきわめて重要な施策であり、その推進にはBIM on VDIの活用が必要不可欠です。その要となるインフラの安定した稼働と性能を確保してくれているレノボのSystem xは、当社の戦略遂行に欠かせないピースと言えます。

戸田建設株式会社 本社 建築工務部 課長 一級建築士
池端 裕之 氏

BIM on VDIを支えるサーバーの提供元には、GPUの仮想化技術をしっかりとハンドリングできる能力が絶対に必要です。レノボには、その能力があり、我々が求めるインフラが何かをきちんと理解してくれています。BIM on VDIの構築・安定稼働を支えてくれる心強い存在だと感じています。

戸田建設株式会社 本社 価値創造推進室 ICT戦略ユニット 主管 一級建築士
徳田 芳雄 氏

当社では、支店や工事現場の担当者が、本社でBIMを学び、吸収した知識を自分の工事現場に持ち帰って、BIMを活用しながら、フロントローディングを推進するという流れをすでに築き上げています。BIM on VDIの導入で、その流れもかなりスムーズになったと確信しています。

戸田建設株式会社 本社 建築工務部
西山 英治 氏

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