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導入事例

横浜市教育委員会

約26,000台の2in1 タブレットを導入し、着実に活用できるICT環境からスタート

導入について

教師が使うICTから、児童生徒が日常的に使うICTへ

全国20政令指定都市の中で、人口第1位の横浜市。その数は今や370万人を突破し、圧倒的なスケールを誇る都市へと発展しました。学校教育の規模感も全国トップクラスで、市内には小学校だけで340校(分校含む)。

これに中学校146校、義務教育学校2校を合わせて計488校もあり、258,241人もの児童生徒が学んでいます。(2019年5月1日時点)


横浜市では新学習指導要領の実施に向けて、ICT環境の整備に取り組んでいます。新学習指導要領では、情報活用能力が言語能力と同様に「学習の基盤となる資質・能力」に位置づけられ、ICT環境の充実も求められるようになりました。

横浜市教育委員会事務局
学校教育企画部 小中学校企画課 情報教育担当
主任指導主事 吉田圭一氏

こうした動きを受けて横浜市では、2018年度に「第3期 横浜市教育振興基本計画」を策定。同計画の中に、ICTの整備や活用も盛り込み、より充実した環境をめざして整備に着手しました。

横浜市教育委員会事務局 学校教育企画部 小中学校企画課 情報教育担当 主任指導主事の吉田圭一氏は、「今までは先生方が授業で効果的に活用するICTという視点で整備が進んでいましたが、これからは子供たちが日常的に普通教室でも使えるICTが求められます」と、横浜市が進めるICT整備について語ってくれました。

横浜市ではこれまで、全小中学校の普通教室に大型提示装置とデジタル教材を映写するためのコンピュータを配備してきましたが、それはあくまでも先生方が使用するもの。今後は、子供たちが日常的に学習の中で使えるICT環境を整備していく方針です。


一方で、横浜市はICT整備について別の課題を抱えていました。パソコン教室のコンピュータがWindows 7のサポート終了に伴い、入れ替えの時期を迎えていたのです。パソコン教室のコンピュータを新しく整備するか、それとも普通教室で使えるタブレットに置き換えるのか、新学習指導要領の動きと横浜市の現状を考慮しながら、整備を進めていく段階にあったといいます。

パソコン教室と普通教室で使える「2in1タブレット」を選択

こうした状況のなか、横浜市が児童生徒用コンピュータの調達で重視したポイントは2つ。ひとつは“先生方が使い慣れている製品であること”、もうひとつは“一律にICTの使える場を保証しつつ、普通教室でも活用できる”という観点でした。つまり、これまでのパソコン教室を維持したまま、端末を移動すれば普通教室でも使用できる環境をめざしたのです。40台が常にパソコン教室にそろっていて、そこに行けば一人1台で活用できる環境づくりは、学校の先生方からの意見を反映したものでした。こうした意見を精査して実現することが、授業での活用が広がると判断しました。

「ノートPCとしても、タブレットとしても使える2 in 1タブレットであれば、パソコン教室と普通教室の両方で活用できると考えました」と吉田氏。キーボード部分とタブレット部分が着脱式であるため、パソコン教室ではノートPCとして活用し、場面に応じてタブレット部分だけを使うことが可能です。

横浜市が導入した「Lenovo IdeaPad D330」。タブレット部分とキーボード部分が着脱式。


ほかにも端末の選定条件としては、キーボード付きであること、カメラがフロントとリアの両面に搭載されていること、校務用パソコンと連携できるWindowsであること、USBポートが搭載されていること、などが挙げられました。

そして最も大切なのが、これらの条件を満たす端末の価格。限られた予算ですべての小中学校に導入できる台数をそろえるためには、端末の価格が重要なポイントになります。この条件をクリアしたのが、「Lenovo IdeaPad D330」でした。

最終的に横浜市は、小学校は全校、中学校は148校中111校に対してLenovo IdeaPad D330を約26,000台導入。全普通教室に1台ずつと、小学校はこれに加えパソコン教室に40台配備することを決定しました。


40台の端末が必ず使える環境からICT活用をスタート

2019年9月から「Lenovo IdeaPad D330」の活用を始め、まだスタートから4ヶ月という段階ですが、現場ではどのように使われているのでしょうか。この点も、吉田氏にお話を伺いました。

まず、普通教室に1台ずつ配備された端末は、デジタル教材の提示に多くの先生方が活用しているようです。横浜市では授業の内容に関連するウェブサイトを見せたり、教育番組等を視聴したりと、“見せる”ためにICTを活かしています。また、普通教室にあるコンピュータから校内サーバーにもアクセスできるため、先生方がWordやExcel、PowerPointで作成したデジタル教材も使用できます。ほかにも、学校予算で購入した指導者用デジタル教科書を使う学校もあります。

小学4年生におけるmicro:bitを使ったプログラミングの取組の例

一方、パソコン教室に配備された40台については、授業支援ソフトを用いた学習が多いようです。たとえば、小学3年生はローマ字入力の練習や簡単な調べ学習、小学4年生は言語活動の一環として、リーフレットの作成などに取り組んでいます。また学校によっては、低学年でタブレットのカメラ機能を使う活動や、高学年で授業支援ソフトを活用したプログラミング学習に取り組む学校も見られるようになりました。

吉田氏は、「2in1タブレットを使いはじめたばかりではありますが、現場の先生方から“キーボード付きで良かった。成果物の作成に取り組みやすい”、“机の上が窮屈にならず、サイズ感がちょうどいい”といった反応があります」と語ってくれました。また「パソコン教室に行けば端末が40台、必ずそろっている環境がよい」という意見も。


これは、タブレットを可動式の収納庫に入れて使用する場合、複数学級で同時に使用するケースが多く、一人1台で使いたくても40台そろえるのが難しくなるためです。今まで、先生方が使い慣れていたパソコン教室にはメリットもあり、その良さを活かしつつ、ここからさらに普通教室での活用に広げていきたい考えです。

ICT支援員の訪問回数を増やし、教師の負担軽減へ

横浜市教育委員会事務局
学校教育企画部 小中学校企画課
情報教育担当 佐賀咲野氏

教育現場におけるICT環境整備は、今や、どの自治体にとっても取り組むべき課題になりました。横浜市のように、大規模なタブレット導入を進めるにあたり、重要なポイントは何でしょうか。

横浜市教育委員会事務局 学校教育企画部 小中学校企画課 情報教育担当の佐賀咲野氏は、「実際の使用場面をよく検討して導入することが重要です。こちらがよいと思ったものでも、現場の先生方は異なる意見を持っていることもあります。」と語ってくれました。

実際に使ってみた現場の声を拾いあげ、どのような活用が可能であるかを知ることが大切だというのです。

吉田氏も、「どの製品を選択するかも大切ですが、導入後の展開を見通すことも重要」と口をそろえます。現場の先生方が使い慣れている機器がいいとしつつも、現場での稼働率を上げるための対策を、製品導入と同時に考えていくことこそが重要だと強調します。


横浜市では、その対策のひとつとして、ICT支援員によるサポートを充実させました。令和元年度は、ICT支援員が月2回、各小学校を訪問するように体制を整え、先生方の困りごとや質問に対応。アプリケーションのインストールやOSの設定変更など、これまで現場の先生方が担当していた作業もICT支援員が担うようにしました。

吉田氏は、「たった月2回の訪問で?と思われるかもしれませんが、“ちょっとした相談ができるようになった”、“レスポンスが早くなった”と現場の先生から好評です。現場での作業負担も減ったので、先生自身が積極的に活用する動きにつながっています」と語ってくれました。現場の先生方の負担軽減を考えることも、ICT環境整備を進めるうえで大切なポイントだといえるでしょう。

次のステップは、児童が主体的に活用する端末の整備

このようにLenovo IdeaPad D330を導入してICT環境の整備を進めた横浜市ですが、吉田氏は「端末を導入したら終わりではなく、いかに授業改善につなげていくかが課題です。そのためには、さまざまな活用方法を周知していく必要があります。先生で止まってしまうのではなくて、子供たちに使ってほしいと望んでいます」と語ってくれました。

具体的には、教員研修を行い、研究会と連携して公開授業を実施するなどICTの効果的な活用を広げていきたいといいます。

横浜市では次のステップとして、未来の社会を生きる子供たちのために、効果的に活用できるICT環境を整備し、子供たちの主体的な学びをめざしていきます。


※インタビューの内容は2019年11月27日時点のものです。


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