ビジネスに最適なIT環境の
構築をサポートするサイト

導入事例

北九州市教育委員会

GIGAスクール構想で約70,000台の導入。文房具として活用し、個別最適な学習・協働的な学習をめざす

導入について

北九州市教育委員会

九州最北端に位置し、関門海峡を挟んだ九州の玄関口である福岡県北九州市。92万人の人口を抱える政令指定都市であり、IT企業の誘致やSDGsへの取り組みにも力を入れています。

市内には小学校128校、中学校62校、特別支援学校8校、高等学校1校があり、GIGAスクール構想のスタート時には2 in 1パソコン「Lenovo IdeaPad D330」を約70,000台導入。毎日の授業はもちろん、オンライン授業や学校行事など着実に活用を広げています。


GIGAスクール構想が前倒し、短期間で約70,000台の大規模導入を実施

北九州市教育委員会
次世代教育推進部 教育情報化推進課
係長 管谷義勝氏

北九州市はGIGAスクール構想の前から「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画」を進めていました。当時の状況について北九州市教育委員会 次世代教育推進部 教育情報化推進課 係長 管谷義勝氏は、「最初から7万人の児童生徒に端末を整備することは予算的にむずかしかったので、まずは特別支援学校と中学校1校あたり12台を整備することから始めました」と振り返ります。

中学校に整備したのはWindowsのタブレットPC。国のGIGAスクール構想も示されていなかった当時から、今後は持ち運びができるPCがパソコン教室の代替になっていくのではという予測もあり、パソコン教室の整備の代わりにタブレットPCを導入。この実績を受けて小学校にも導入を進めていく予定だったといいます。


「Lenovo IdeaPad D330」が子どもたちに配られた日、GIGA開きの様子

そうした矢先にGIGAスクール構想が発表され、端末整備を加速することに。当初は令和2年度中に整備するという方針でしたが、コロナ禍の休校措置などの影響を受けて文部科学省からICT環境整備を急ぐ通知が出され、北九州市も「遅くとも令和2年8月までに、少なくとも小学校6年生、中学校3年生の環境整備が必要」という対応を迫られました。

北九州市が1人1台端末(以下、「GIGA端末」)を実現するために当時必要だった台数は、なんと約70,000台。小6と中3の2学年分だけでも約16,000台以上が必要となり、しかも、整備にかけられる期間は2カ月ほど。

これだけの大規模導入に対して、スピード感を持って必要な台数を整備できたのがLenovoの2 in 1パソコン「Lenovo IdeaPad D330」でした。


結果として、前述の2学年分を8月末までに、他学年も令和2年12月末までに整備することができ、合計70,000台の整備が完了。その中には、授業を受け持つ教員に対しても児童生徒と同じ端末を貸与するなど、手厚い端末整備を実現しました。

こだわったのは「Windows OS機、同一機種の導入」

北九州市教育委員会
次世代教育推進部 教育情報化推進課
システム運用係長 佐々木望氏

北九州市では、GIGAスクール構想の端末選びにおいて、外部の有識者やPTA、校長らが参加する検討会を立ち上げ、議論を重ねたといいます。その結果、特別支援学校及び特別支援学級(知的)を除いた、すべての小学校・中学校・高等学校でWindows OS機に決定しました。

その理由について北九州市教育委員会 次世代教育推進部 教育情報化推進課 システム運用係長 佐々木望氏は、「もともと校務の端末として教職員用にWindows OSの端末を整備していたため、授業で使う教材をWindows OSで多く作っており、同じOSであれば利用しやすいと考えました。

また、児童生徒がうまく使うには、まず教職員が使えるようになる必要がありますが、それもすでに教職員が慣れ親しんだWindows OSなら安心だと判断しました」とコメント。


北九州市教育委員会
次世代教育推進部 教育情報化推進課
主任 中島寛之氏

また端末管理がしやすいようにGIGAスクール構想の端末を同一機種にすることも重視したと佐々木氏。「8月に導入する各校最終学年の分と12月に導入する他の学年の分、調達の時期が異なっても同じモデルを導入することにこだわりました。Lenovoの同一機種で整備したことで、学校に対するアナウンスを統一できたことも、後々大きなメリットになりました」(佐々木氏)。

 

北九州市教育委員会 次世代教育推進部 教育情報化推進課 主任 中島寛之氏は、導入した「Lenovo IdeaPad D330」について、まず価格面でリーズナブルだったとコメント。「機能面ではキーボードが取り外せる2-in-1タイプのため外すと軽くなることや、子どもが使いやすいキーボードサイズなのもメリットでした。バッテリーも1日持ちますし、現場からはインカメラの反応が速いという意見も出ています」と語りました。


タブレットのカメラを使って植物や生き物を撮影

中島氏によると、現場の声ではカメラや共同作業に対する評価が高いようで、「例えば理科の授業で外に行って生き物を見つけたとき、生徒全員がタブレットを持っていればすぐに写真を撮って『こんなのを見つけたよ』とすぐにみんなに共有できます。

また、卒業文集はTeams上で共同編集して作成したものを教員が誤字脱字を修正した、という学校もありました」と活用の様子を語ってくれました。


メンタルケアの案内も児童生徒の端末に配置 イベントのオンライン配信も定番に

GIGAスクール構想から約2年が経過し、北九州市では現在、さまざまな場面でGIGA端末を生かした学習が進められています。今まで紙で行なっていたグループ作業を授業支援アプリの共同編集で行ったり、小学校の高学年からMicrosoft PowerPointを使ってプレゼンテーションをしたりと、児童生徒が端末を使ってアウトプットする場面も増えてきました。

グループ活動ではタブレットを使って共同編集することも

そうした活用の中でも、北九州市では特に、コロナ禍のオンライン授業が普及したといいます。北九州市教育委員会 次世代教育推進部 教育情報化推進課 指導主事 中富太一朗氏は、「多くの学校でオンライン授業が行われるようになり、学びを止めない取組を今もなお継続して行っています。

その延長で学校のビデオカメラを使って学校行事もオンライン配信する取り組みが広がりました。幸い、どの学校の体育館もネットワークが整備されているので、入学式や卒業式、文化祭などのオンライン配信も多くの学校で実施されています」と語ってくれました。


北九州市教育委員会
次世代教育推進部 教育情報化推進課
指導主事 中富太一朗氏

中富氏はさらに、児童生徒のメンタルケアのため、生徒指導課が「『こころが苦しい』ときは、相談しよう」という相談先一覧の案内を作成し、児童生徒たちのデスクトップにショートカットを配置していると紹介。

「子どもたちに身近になってきているGIGA端末から、いつでもアクセスできる状態にしておくことが効果的だと考えました」と中富氏。

スクールソーシャルワーカーも生徒とのつながりが途切れなくなったと言い、不登校対策としても「GIGA端末が導入されて良かった」という声が多く寄せられているといいます。


児童生徒のGIGA端末には、メンタルケアなどの悩みごとを相談する窓口一覧につながるショートカットを配置している

北九州市ではICT活用を広げていくための工夫として、先進校での実践事例や、市内に小中特支合わせて10校ある研究指定校「GIGAスマートスクール」での事例を月1回程度の頻度で「GIGAスクール通信」にまとめて全教職員に配信しているといいます。

詳しい話を聞きたいと問合せがあると、教育委員会が学校に行って説明し、活用のサポートをするというのです。現場の教員からもいろいろな情報を見つけ、「こんなことはできますか」と教育委員会に問合せが入ることも多いとのこと。

ICTを活用して子どもたちの学びをさらに良くしていこうというマインドも育ってきています。


教育委員会や校長会の会議、教職員の研修会議もオンライン化し働き方改革へ

管谷氏は、こうしたオンライン化が普及した理由として、「毎週行う教育委員会の幹部会をオンライン化し、その流れで校長会議をはじめ、各種研修などをオンライン化したことが影響していると思います。GIGAスクールの最初にこれらの会議などをオンライン化したことで、管理職の意識も変わってきました」と語りました。学校内でも、職員会議の資料をすべてPDFファイルにし、ペーパーレス化も進んでいるようです。今まで時間がかかっていた資料の修正作業や管理職の許可申請も省力化できたといいます。

<集合写真、左から>北九州市教育委員会
次世代教育推進部 教育情報化推進課
指導主事 中富太一朗氏、
係長 管谷義勝氏、
システム運用係長 佐々木 望氏、
主任 中島寛之氏

佐々木氏はこれまでの取り組みを振り返り、「これだけの大規模導入は他にあまり事例もなく、やってみないと分からないことが多くあり、我々も手探りで進めてきました。ひとつ進めると壁にぶつかることの繰り返しで、いまだにその壁にぶつかり続けている気がします」と語ってくれました。

一方で中富氏からは、「大変な部分もありつつ、北九州市では、『こんなことをしたい』という現場の要望を受けて、教育委員会もどうすれば実現できるか、まずは試してみるというフットワークの軽さがあります」と言及。大きな自治体であっても、各学校のやりたいことに寄り添いながら、日々、熱心に取り組みを進めてきたことがわかります。

佐々木氏は今後のICT活用への取り組みについて、「GIGA端末はあくまでツールですから、児童生徒たちが、鉛筆や消しゴムと同じように文房具としてGIGA端末を使いこなせるようになってほしい」と語ってくれました。

今までは国からのGIGAスクール構想の推進や、ここ数年は奇しくもコロナ禍でICT活用が進むという具合に後押しされた部分がありますが、今後は各学校が個別最適な学習をめざすためにICTを活用するという、本来の目的に向かって活用レベルをあげていく計画です。



この課題を解決した製品・ソリューション

  • Lenovo IdeaPad D330

    資料や動画の閲覧に便利なテントモードにも対応し、さまざまなビジネスシーンで利用可能な脱着式マルチモード2 in 1モバイル。

お客様プロフィール

お客様

北九州市教育委員会

所在地

〒803-8510 北九州市小倉北区大手町1番1号小倉北区役所庁舎東棟6階

関連導入事例

法人のお客様限定

販売店・特約店からのご購入を
希望の方もお使いいただけます。