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導入事例

JapanTaxi株式会社

レノボのタブレットで4,000台強のタクシーをデジタル広告メディアに変える

導入について

18分の空白をデジタルサイネージで埋める

タクシーに乗車し、ドライバーに行先を告げたあと、あなたは車中でどのように過ごしているでしょうか。おそらく、車中での多くの時間を、外の景色をただぼんやりと眺めることに費やしているはずです。

そんな車中での「空白の時間」──。それを広告の視聴時間へと変容させるデジタルサイネージの仕組みが、JapanTaxiが企画・開発し、同社とフリークアウト社との合弁会社IRISが販売する広告商品「Tokyo Prime」です。

「当社が調べたところ、人のタクシー乗車時間は平均18分。その時間の大半を、特に何もせず、やり過ごしているお客様は多くおられます。そんなお客様の目の前で、魅力的な広告コンテンツを流すことができれば、広告内容への注目・関心を大きく喚起できます。しかも、タクシー利用者の多くは、社会的な地位、購買力、そして情報収集の意欲が高く、広告訴求の対象として非常に魅力的です。Tokyo Primeのシステムは、そうした商機をつかむために商品化されたシステムです」と、JapanTaxiの取締役CMOである金 高恩氏は説明します。

ターゲティング広告の機能を実装

JapanTaxiは、タクシー・ハイヤー業界の大手、日本交通を母体とするIT企業です。日本交通は、スマートフォン向けのタクシー配車アプリ「全国タクシー」を先駆的に開発・普及させたり、車載の料金メーターやドライブレコーダーを自社開発し、外販に乗り出したりと、デジタルテクノロジー活用の巧みさで広く知られています。そのデジタル戦略を一手に担うJapan Taxiでは、累計200万ダウンロードの実績を持つタクシー配車アプリ「全国タクシー」やタクシー用ドライブレコーダーなどの開発・運用・普及などを手掛ける一方で、メディア事業──つまりは、タクシーをメディア化し、広告媒体として機能させるのと同時に、その乗車体験を向上させる取り組みに力を注いできました。

Tokyo Primeは、そのメディア事業の中心を成す仕組みです。全体は、タクシーの後部座席正面に設置されるデジタルサイネージ端末と、広告配信などを行うサーバから成り、端末に広告を配信するだけではなく、端末のGPSから収集した位置情報を基に広告を出し分ける機能や、端末のカメラで収集した乗客の顔情報から性別・年齢層をリアルタイムに判別、その結果に応じて広告を出し分ける機能が実装されています(プライバシーに配慮して画像は端末にもネットワーク上にも保存・送信しておりません)。OOH広告(交通広告や屋外広告などの総称)にこのようなターゲティング広告の機能を持たせるのは、国内では他に例を見ない試みです。

「Tokyo Primeは、タクシーの乗客という“個”を対象にしたメディアで、究極的なゴールは、ワン・ツー・ワン・マーケティングを実現することに置いています。お客様の位置や性別・年齢に応じて広告を出し分ける機能は、その目標を達成するための最初のステップと言えます」(金氏)。

また、Tokyo Primeでは、乗客の目の前で広告を展開できるため、広告主が伝えたいことをしっかりと伝えられるという特性もあります。「その訴求効果の高さはTokyo Primeを商品化する以前のコンセプトテストによってすでに実証されています。そうした高い広告効果やターゲティング広告の仕組みから、多くの企業がTokyo Primeに関心と期待を寄せ、私たちが対応に困るほどの引き合いをいただいています」(金氏)。

画面の美しさと耐久性、サポート品質で「Lenovo TAB3 10 Business」を選択

そうしたTokyo Primeの端末(デジタルサイネージ端末)として、JapanTaxiが採用を決めたのがレノボのタブレット「Lenovo TAB3 10 Business」です。同タブレットは、日本交通グループが所有する全タクシー車両(約4,100台)への搭載が進められており、2016年12月時点で3,500台への配備が完了、2017年3月ごろまでに全車両への配備が完了する予定です。

言うまでもなく、デジタルサイネージ端末はTokyo Primeを構成するきわめて重要なピースです。その良否によってTokyo Primeの商品価値が左右されると言っても過言ではありません。そのためJapanTaxiでは、タブレットの選定・検証を入念に行いました。

「まず大切だったのは、広告を美しく表示させられるタブレットであるかどうかです。具体的には、10インチ以上の画面で高解像度であることが必須要件でした。その要件が満たせないようなタブレットでは、Tokyo Primeの商品価値を担保することができないと判断したからです」(金氏)。

またもう一つ、同社が強く求めたのがタブレットの頑丈さ・耐久性です。
「車載のタブレットには相応の衝撃が与えられますし、夏場にはタクシー車内の温度がかなりの高温になることもあります。ですから、画面表示の美しさに加えて、衝撃への強さや動作温度の幅広さといった耐久性が、タブレット選定の重要な基準となりました」と、JapanTaxiのプロダクトマネージャーでハードウェアを担当する青木亮祐氏は語ります。

JapanTaxiでは5社のタブレットを採用候補として選び、スペック比較を通じ絞り込んだ製品に対して、耐衝撃性や動作温度の検証をかけています。このうち耐衝撃性の検証では、タクシーに実機を配備し、実運用時と同じ環境の中で、一週間程度の時間をかけてタブレットの動作を点検しました。また動作温度の検証では、社内のテスト環境を用い、摂氏マイナス10度から60度の範囲でタブレットが正常に稼働し続けるかどうかの実力値をチェックしています。
こうした要件・検証テストをすべてクリアーしたのが、Lenovo TAB3 10 Business です。

「加えて、私たちが高く評価したのは、レノボのサポート品質です」と青木氏は語り、次のような説明を加えます。
「Tokyo Primeの開発スケジュールの関係から、タブレットの検証・評価のピッチを上げる必要に迫られました。そうした中で、我々の要望・問い合わせに最も迅速・的確に対応してくれたのがレノボです。そのサポート品質の高さは Lenovo TAB3 10 Business 選定の大きな決め手となりましたし、私たちがスケジュールどおりにタブレットの配備を進められたのも、レノボの支援があったからです」

東京五輪の開催に向け海外顧客に向けた機能も拡充

Lenovo TAB3 10 Business は、JapanTaxiが作成した専用ケースに収納され、タクシーに装着されています。タクシーに搭載されたLenovo TAB3 10 Businessは、LTEを介してTokyo Primeのサーバと接続されているほか、日本交通のタクシーに配備されているJapanTaxi製の料金メーターともBluetoothを介して連動、顧客が乗車した時点で、料金メーターから Lenovo TAB3 10 Business に信号が送られ、広告の再生が始まるという仕組みが構築されています。これは、広告に対する乗客の関心を引き寄せるための仕掛けです。

さらに、Tokyo Primeでは、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に照準を合わせたかたちで、訪日外国人に向けた機能の拡充も計画されています。
計画の一つは、「WeChat Pay」や「Alipay」、「Origami Pay(オリガミペイ)」などの電子決済手段とタブレットを連携させ、外国人旅行客によるタクシー料金の支払いプロセスを効率化することです。また、タブレットを媒介に外国人旅行客とドライバーとのコミュニケーションを円滑にする「翻訳・通訳」の仕組みも実現していく予定です。

「東京を訪れる外国人旅行客にとってタクシーは最も利便性の高い移動手段です。その利便性を一層高め、乗車体験をよりリッチにすることが、私たちの目標の一つです。遅くともラクビ—のワールドカップが開催される2019年までには、外個人旅行者向けの機能を一通り実装する計画です」(金氏)。

一方で、日本人向けのTokyo Primeの機能もより洗練させ、広告メディアとしての価値をさらにアップさせていくことも計画されています。
「Tokyo Primeに蓄積されていく乗客のデータなどを活用しながら、ターゲティングの機能を洗練させていけば、お客様のニーズにピタリと合致した広告を配信し、広告を有益なメディアコンテンツへと変容させることができるはずです。また、パーソナライズされたニュースを提供し、乗車体験を向上させることも可能でしょう。Tokyo Primeの可能性は無限の広がりを持っていると言えるのです」(金氏)。

IRISでは現在、こうしたTokyo Primeの適用範囲を日本交通以外のタクシーにも広げ、2019年までに東京都内の全タクシー車両(約4万台)にTokyo Prime端末を搭載させていく計画を進めています。のちには、東京以外の日本の主要都市、ひいては海外での展開も視野に入れています。

「この構想を推し進めるうえでは、数多くのタクシーに配備されたTokyo Prime端末がしっかりと稼働し続けること──つまりは、Tokyo Primeのシステムとしての信頼性をきちんと実証していくことが大切です。その意味で、頑丈で耐久性に優れた Lenovo TAB3 10 Business は、私たちの構想を前進させる大きな推進力となってくれています。このタブレットを採用したことは正解だった──。そう強く感じています」(金氏)。

Tokyo Primeは、東京をはじめとする全国主要都市、ひいては海外への展開を視野に入れた商品で、その構想を実現するにはシステムとしての信頼性を証明していくことが重要です。その意味で、耐久性に優れた Lenovo TAB3 10 Business は、私たちの構想を前に進める大きな推進力となってくれています。

Japan Taxi株式会社
取締役CMO
金 高恩 氏

Lenovo TAB3 10 Business は、機能・性能の面で私たちの要件をすべて満たしていただけではなく、背後にあるレノボのサポート品質も群を抜いていました。レノボが、私たちの要望・問い合わせに常に迅速、かつ的確に対応してくれたおかげで、厳しいスケジュールも乗り越えられたと感じています。

Japan Taxi株式会社
プロダクトマネージャー
青木 亮祐 氏

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