導入事例

ソフトバンクロボティクス株式会社

Pepper×レノボで実現するUX革新
「Lenovo Tab K11」導入で「第二の頭脳」を刷新し、次なるAI時代の「ロボット革命」の始動へ

概要

ソフトバンクロボティクス株式会社は、ソフトバンクグループの中でロボット事業を統括し展開している企業です。同社が2014年に発表した人型ロボット「Pepper(ペッパー)」は、人の感情に寄り添うロボットとして大きな話題を呼び、10年以上が経過した現在も、家庭から商業・教育・介護施設まで幅広く活躍しています。しかし、近年の急速な生成Alの進化に適応し、ユーザー体験をさらに向上させるにはハードウェアのスペック向上が急務となっていました。そこで同社は、Pepperの第二の頭脳である胸部タブレット端末のリプレースを決断。レノボ製の「Lenovo Tab K11」を採用した新型モデル「Pepper+(ペッパープラス)」を発表しました。この刷新とレノボとの連携により、ヒューマノイドロボット事業は新たな可能性を切り拓いています。



課題

現行Pepperに搭載されていたタブレットはOSが古く最新技術の導入が困難な上、動画表示の遅延や、カメラの画角・解像度不足といった課題を抱えていた。今後予定する小売分野でのAIソリューション展開に向け、端末の刷新は急務だった。

ソリューション

最新バージョン「Pepper+」の胸部タブレットとして、レノボの「Lenovo Tab K11」を採用。高性能な処理能力により、最新のAIアプリケーションが安定稼働するシステム環境を構築した。導入にあたっては、カスタマイズツール「CSDK」の活用や技術者間の直接的な連携による支援により、OS制御や独自アプリ開発における技術的課題を解決できた。

導入効果

「MediaTekHelioG88オクタコアプロセッサー」による高い処理能力と10.95型高解像度液晶により、ユーザー体験が劇的に向上した。AIのポテンシャルを最大限に引き出すことで、Pepperの理解力・認知能力・分析能力が強化。画像・動画生成など、ヒューマノイドロボット事業に新たな可能性をもたらしている。


導入


経験を武器に生成Al時代へ
タブレット刷新が導くPepperの新たな一歩

ソフトバンクグループのロボット事業をリードするソフトバンクロボティクス株式会社。同社を語る上で欠かせない存在が、2014年の登場以来、人型ロボットの代表格として親しまれてきた「Pepper(ペッパー)」です。愛らしいフォルムと感情豊かなアクションが人気を呼び商業や教育現場など幅広い現場で普及し、ロボットの社会実装をリードしてきました。現在は最新Alを実装した「Pepper+(ペッパープラス)」へと進化し、より高度な対話や課題解決の実現に向けて企業のDXを加速させる実戦的なソリューションとして動き始めています。

今回のタブレット刷新は、最新の生成Alアプリの実装を見据えたものです。本プロジェクトのプロジェクトマネジャーを務めたHumanoid&ソリューション事業部部長の小宮ベーカーらん丸氏は「マシンスペックの向上は選択肢ではなく、進化のための必須条件でした」とその戦略的意義を強調します。

しかし、人型ロボットであるPepperの場合、タブレットは単なる画面ではなく、本体と連携する重要なハードウエアです。そのため、電気基盤やOS、アプリケーションにまで影響が及び、調整には多大な時間を要しました。開発にかかるコストと収益率を考慮し、事業計画を練るプロセスも含め、「全体のプロジェクト構想は数年前から進めてきた」といいます。

新型タブレットとして「LenovoTab K11」の導入が決定した後も、調整のプロセスは続きました。小宮ベーカー氏は「たとえば、Pepperの数万通りあるアクションと物理的に干渉しないかの確認です。タブレットがわずかに大型化したこともあり、すべてのアクションを一つひとつチェックする必要がありました」と細部にわたる苦労を振り返ります。

一方で、今回のタブレットの高性能化は、開発面で極めてポジティブな効果を生み出しています。

本プロジェクトの開発チームをリードしたヒューマノイドソリューション課担当課長の叶辰哲氏は、進化に向けた技術的な課題があったと語ります。「以前のタブレットではOSの更新ができず、最新の技術やライブラリを使ったアプリ開発が困難でした。LenovoTab K11 はAndroid™OS のバージョン13から15まで対応しており、今後も継続的なアップデートの余地を残した幅広い運用が可能になったことが、大きな進化です」。

ユーザ一体験を最優先してレノボのタブレットを選んだシンプルな"決め手"

複数の候補端末の中からLenovoTab K11を選定した理由について、小宮ベーカー氏は「理由はいくつかありました」と明かします。物理SIMカードの使用可否、必要な供給台数の確保OSの柔軟性など事業面・技術面での要件が重要でした。その中でも選定の大きなポイントとなったのが、「カメラの位置」という要素です。

「私たちは何よりも‘‘ユーザー体験’を最も大切に考えています。ヒューマノイドロボットは、ロボットの視点と同じ位置からユーザーを認識することで、本物の人間と接しているかのような体験をもたらすからです。LenovoTab K11は横置きにした際にインナーカメラが上部中央にあり、従来のPepperと同様の使い方が可能でした。これが大きな選定理由となリました」(小宮ベーカー氏)。

叶氏も「開発側の意見としても、カメラの画角にはこだわリがありました」と選定理由を支持します。さらに、LenovoTab K11の優れたカメラ性能と広い視野は、Alによるサポート機能の進化も可能にしました。

「LenovoTab K11はコスト面、性能面でも優れていました。特に、負荷の高いアニメーションによるテストでも、十分なパフォーマンスを発揮した点を確認しています。これらのさまざまな検証結果から、LenovoTab K11の選定を支持しました」(叶氏)。

開発部門直通のホットライン
CSDKをフル活用したレノボとの緊密な技術連携

「ロボットアプリ開発を円滑に進める上で、レノボのサポートは不可欠でした。特に開発部門とは頻繁にやり取りをし、その都度適切なアドバイスをもらえたのは助かりました」と語る小宮ベーカー氏は、本プロジェクトのキーポイントとして、強固な支援体制の構築を挙げます。実際、両社の開発部門が直接コミュニケーションを取れるホットラインを構築し緊密な連携体制を築き上げました。

「専門性が高い領域ほど、仲介者を挟むと認識のズレが生じがちです。今回はエンジニアの方とダイレクトに連携できたおかげで、技術的な課題もタイムラグなく解決でき、とても心強かったです」(叶氏)。

さらに開発面で大きな役割を果たしたのが、レノボのタブレットをカスタマイズするための専用APIコレクション「CSDK(CommercialSoftware Development Kit)」の存在です。電源キーの無効化、再起動、不要なアプリの削除など、遠隔から詳細な機能制御を可能にするCSDKは、まさに業務利用に必須の機能です。叶氏は「エンドユーザーの操作を制限するような機能やシステムを、CSDKによって非常にスムーズに構築できました」とツールを高く評価しています。

「2つの頭脳」を持つヒューマノイドロボットAlによる新たな可能性

Pepper+のタブレット端末をLenovoTab K11に刷新したことで、「MediaTekG88オクタコアプロセッサー」と大容量メモリによる高い処理パフォーマンスが実現しました。さらに画面は10.95型の高解像度ワイドパネルを採用し、映像の表現力を高めています。小宮ベーカー氏は「Pepperの特徴は、ロボット本体制御とタブレット処理を独立させた『デュアル・ブレイン(2つの頭脳)』構成にあります。この両輪が高度に連携することで、質の高いUXを実現しています」と刷新の重要性を強調します。

「LenovoTab K11に刷新されたことで、どのようにユーザーの体験を進化させるかを追求しています。まず、画面の解像度が向上したことで、投影できる映像の迫力が劇的にアップしました。さらにAlによる画像や動画の生成機能も備え表現力は新たな次元へ到達しました。小売店での宣伝効果もより高まっていくでしょう」(小宮ベーカー氏)

また、カメラや端末の性能が上がったことで、通行人の属性情報を詳細に分析できるようになりました。これにより、顧客に最適な商品を提案するなど、Alを駆使したパーソナライズ機能の充実も検討されています。

さらに超高齢社会における介護現場の課題にも貢献していきます。人材不足が深刻化する中で、ヒューマノイドロボットヘの期待は高まる一方です。

「Alを搭載したPepperは認知症予防のための会話アプリも提供しています。しかし、高齢者の方々にとってロボットとの会話にはいまだ高いハードルがあるのも事実です。‘‘高齢者の方にも伝わりやすい’'ユーザー体験を創出し、今後は介護現場の重要なソリューションとしてPepper+提供していきたいと考えています」(小宮ベーカー氏)。

Pepper+は会話、理解力、分析能力において、すでに大きな進化を遂げています。画像認識、画像・動画生成など、これからもさまざまな機能拡張が予定されていますが、小宮ベーカー氏が特に期待を寄せるのが「多言語対応」だといいます。

「Pepperは既に多言語対応していますが、設定が必要なため言語切り替えに少し時間を要します。ChatGPTのように瞬時に多言語を認識し対応すれば、Pepperは世界中の人々とコミュニケーションを円滑に取れるようになります。商業現場で実際に活用されている人型ロボットとして、Pepperはすでに独自の地位を築いています。今後も事業拡大を強力に推し進め、進化したロボットの利便性とユーザビリティを一人でも多くの方に実感していただきたいです」(小宮ベーカー氏)。

現段階でPepper+は新しい端末を導入したばかりであり、そのポテンシャルは測り知れません。叶氏は、「未来に向けてLenovoTab K11のパフォーマンスをフル活用し、Pepper+がより進化できるようなアプリケーションの開発をさらに進めていきます。そのためにも、レノボとのより良い協力体制を継続的に構築していきたいです」と、レノボの支援体制への変わらぬ期待を語りました。

「近年はアメリカや中国で多くのヒューマノイドロボットが開発されています。その中で、私たちには長年人型ロボットを商用展開してきだ‘経験’'という、他にはない大きな強みがあります」と小宮ベーカー氏は力強く語ります。さらに、これからのロボットのあり方についてこう続けます。「生成Alの登場により、ロボットは『Alを活用するためのハードウエア』へと進化します。Alとの融合で広がる新たなユースケースを、お客さまと共に掘リ起こし、提案していくことが私たちの使命です」(小宮ベーカー氏)。「ロボット革命で人々を幸せに。」というビジョンを掲げ、ロボットと人との共生社会の実現を目指すソフトバンクロボティクス株式会社。今回のレノボとの連携と伴走により、夢に満ちた社会の姿が、より明確に形づくられていくはずです。


お客様プロフィール

お客様

ソフトバンクロボティクス株式会社

所在地

東京都港区海岸一丁目7番1号東京ポートシティ竹芝オフィスタワー

設立

2014年7月


ソフトバンクロボティクス株式会社

Pepper×レノボで実現するUX革新
「Lenovo Tab K11」導入で「第二の頭脳」を刷新し、次なるAI時代の「ロボット革命」の始動へ

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