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特集

ThinkStation完全検証

P700×4K動画 Blackmagic URSAで4Kベンチマークを撮影 前編

「4K」という言葉が日増しに聞かれるようになり、テレビ、カメラや動画機能が特徴のスマートフォンのカタログにも4Kというキーワードは必ず登場するようになってきた。しかし、4K動画のデータ量はHDの4倍。単純にデータとして扱うならまだしも、プロの動画撮影の素材として扱うにはデータが大きすぎ、処理するにしても複雑すぎる。また、素材が高精細なだけに、動画の撮影にも特別な工夫が必要となる。そこで、電報児の田村氏による4Kベンチマーク動画の製作現場に密着、4Kカメラや処理するワークステーションの実態について取材した。今回は撮影編だ。

Blackmagic 4Kカメラとカールツァイスレンズを組み合わせ

今回の撮影機材は、カメラにブラックマジックデザイン社の「Blackmagic URSA」と「Blackmagic Production Camera 4K」を使用して行った。今回撮影を実施していただいた電報児の田村氏は初めて扱うカメラということで、いずれも入念なテスト撮影を行って、本番撮影に臨んでいただいた。
「Blackmagic URSA」にはカールツァイスのPLマウントレンズを使用、ズームレンズの「Compact Zoom CZ.2 70-200mm/T2.9」と単焦点の「Compact Prime CP.2 85 mm/T1.5 Super Speed」「Compact Prime CP.2 50 mm/T1.5 Super Speed」を組み合わせた。

  • Blackmagic URSAにレンズはカールツァイスのCompact Zoom CZ.2 70-200mm / T2.9を組み合わせた

  • T値が1.5と明るいCompact Prime CP.2 85 mm / T1.5 Super Speed

  • こちらもT値が1.5のCompact Prime CP.2 50 mm / T1.5 Super Speed

田村氏によるBlackmagic URSAの第一印象は「思っていた以上に重かった」ということだが、最近は「Blackmagic Cinema Camera」など軽量機材の使用頻度が高かったため相対的にそう感じたとのこと。複数の液晶画面を搭載し、カメラマンも大型液晶で細かく画像を確認できるなど画質を追求する面での使い勝手がよかったという。なお、今回は固定カットを主に撮影した。
レンズは、単焦点レンズはT値が1.5と明るく、今回のような室内撮影にも対応しやすかったとのこと。そしてズームのCompact Zoom CZ.2 70-200mm/T2.9はズームレンズながら単焦点レンズのキレを維持したまま自在にズームでき、ボケ味を生かした効果的な演出ができる点も特徴と評価している。なお、Blackmagic URSAの前面には15mmのレールコンポーネントが標準搭載のため、負荷なくスムーズに取り付けられる点もよかったとしている。
また、「Compact Zoomレンズは6Kまでカバー、PL以外での様々なマウントに交換できる汎用性もある」とし、活用範囲が広い点も大きな特徴と評価した。画質面においても「一眼レフカメラ用のレンズと比べ、柔らかい感じのイメージが演出できていた」と評価している。なお、田村氏は「歪み部分や肌色の描写などはレンズによってだいぶ変わってくる部分。特にRawで撮影する4K動画ではカラーグレーディングでの幅が広がるため、カメラ同様にレンズ選択は重要」とし、レンズの重要性を訴えている。

  • カールツァイス カメラレンズ

    カールツァイス

    ZEISSコンパクトプライム&コンパクトズーム・シリーズは4K対応の解像力とコントラストを誇り、35mm判フルサイズをカバーする高性能レンズ群です。PL、EF(キヤノン)、E(ソニー)、F(ニコン)、MFT(マイクロフォーサーズ)の5種類に対応する交換式マウントを採用し、使うカメラが変わっても同じレンズを使い続けられます。これこそ「レンズは資産」と考えるツァイスならではのシネマレンズです。

    カールツァイス株式会社
    〒160-0003 東京都新宿区本塩町22番地

    URL: http://www.zeiss.co.jp/photo

一方、「Blackmagic Production Camera 4K」には一眼レフカメラ用のレンズを装着、コストパフォーマンスの高い組み合わせとなるほか、小型軽量のため、機動性の高さも大きなメリットとなる。今回の撮影では、Blackmagic Production Camera 4Kをジンバルに搭載して被写体を追いかけた映像を撮影するなど、小型軽量を活かした撮影を行った。

  • 液晶画面を3つ搭載したBlackmagic URSA。ストレージのスロットは画面を開いた中にある

  • 比較的コンパクトなBlackmagic Production Camera 4K

  • ジンバルに装着して動きのある映像を撮影

  • Blackmagic Production Camera 4Kの軽量・コンパクトさを活かして移動しながらの撮影も適している

  • 階段のシーンもBlackmagic Production Camera 4Kとジンバルで撮影

カメラだけではない、4Kの準備はモデルさんはじめ全方位に

高い画質の4K映像を撮影するためには、カメラの性能はもちろん必要だが、高い解像度の映像に見合った周辺環境の準備が不可欠となる。
高解像度画像となるとブレなく高精細映像を記録するため、カメラを揺らさない高い剛性を持つ三脚、被写体をしっかりと浮かび上がらせるための照明、そして、モデル、メイク……。つまりほぼ全方位で高精細対応をしなければならないのだ。
例えばモデル。顔の細かなシワまで映ってしまう4Kなので、モデルさんの肌のコンディションを重視すると思われるが、田村氏によると、それよりもコンタクトレンズが違和感なのだという。人物の動画となるとやはり目が行く場所は「目」。それが4Kともなると瞳の模様まで細かく映像として記録されるが、そこにコンタクトレンズがあると、はっきりとわかり、違和感となってしまうのだそうだ。
そして、言うまでもなく肌の状態や衣装の状態も細心の注意を払うのが4K映像。肌の状態だけでなく髪の毛が1本でも乱れていれば、それもしっかり記録される。衣装も同様でほつれた糸が一本でも出てしまえばそれも目立ってしまう。そういった点まで気遣う必要があり、今回はそういった点をよく理解したメイクさんを起用したという。
また、今回撮影をしていただいた田村氏は2009年ごろより4K映像を手がけている4Kのプロフェッショナル。このほかにも高精細映像への対応という点をよく理解したスタッフが揃ったからこそ、比較的短時間で良質な4K映像を撮影できたとしている。

  • メイクは特に重要。高精細映像への理解があるスタッフは不可欠だ

  • 照明も重要で、現在の4Kカメラが要求する十分な光量を確保しなければならない

  • 光の量があれば良いのではなく、カメラの対応範囲を含め色合いにも注意を払う

  • 衣装の細部まで注意を怠らないことが重要だ

RAWを多用して後処理の自由度を高める

Blackmagic Production Camera 4Kの撮影メディアにはサンディスク エクストリーム プロ SSDを使用、SSDリーダーでThinkPadにバックアップする

コンピュータの性能アップにより、現在では動画を後からじっくり処理して仕上げていくことがふつうとなった現在では、後処理の自由度を高めるためにも撮影データはRAWデータとして記録していくことが大原則。
RAWは言うなればカメラの撮像素子から出てきたデータそのもので、ホワイトバランスも調整されていなければ、各コマの映像の生データがあるのみでそのままPCで見られる動画データにすらなっていない。
そして、RAWデータがあれば後処理し放題というわけでもない。後処理の幅を持たせるにはRAWデータがしっかりとしていなければならない。前述の照明関係が適切でなければBlackmagic URSAの12bitのダイナミックレンジがあっても意味がない。映っているものが暗すぎたり明るすぎたりすれば、せっかくのRawデータも、質という点で残念なことになってしまう。 また、レンズの解像度や表現力なども重要。しっかりと映っているものを後処理でやわらかい映像に加工することはできても、もともとぼんやりとしか映っていないものをはっきりさせて精細な映像にすることはできないからだ。

  • サンディスク エクストリーム プロ

    サンディスク

    サンディスク エクストリーム プロは、次世代の放送制作、映画撮影、および写真撮影に最適な超高速メディアです。エクストリーム プロ ソリッドステートドライブは、ドライブの実用性能が最大限に常時持続することを求めるゲーマーやパソコンのヘビーユーザー、カメラマンやビデオグラファーなどのメディアプロフェッショナル向けの超高速SSD製品です。

    サンディスク株式会社
    〒108-0075 東京都港区港南1-6-31 品川東急ビル3F

    URL: http://www.sandisk.co.jp/

そして、最も重要なデータのバックアップはThinkPadで

高速なデータバックアップが可能なThunderbolt接続のHDUS-TBSSS

今回の撮影は丸一日を費やすスケジュール。撮影素材データは膨大なものになるが、カメラに装着するストレージの容量には限りがある。しかも安定して高速記録でき、かつ撮影した映像に万一のことがない信頼性のあるCFastカードやSSDは高価で、丸一日の撮影に必要なだけの容量を揃えておくのものたいへんなコストがかかってしまう。
そこで、田村氏が考えた方法は昼の休憩時にデータのバックアップを行うこと。現場に大容量保存ができるPCや、ポータブルストレージを持ち込み、それらを駆使してバックアップを行う。そうすることによりカメラに装着するCFastカードやSSDのデータを開放でき、新たな撮影に対応できる。データは膨大なサイズになるため、高速なストレージを使っても時間はかかる。それを昼の休憩時間に行うことで時間を効率的に使うことができるからだ。

使ったコンピュータはThinkPad W550sやThinkPad W541/W540など。いずれもモバイルワークステーションで、ワークステーション級のグラフィックスを搭載しているため、後処理をしなければならないRAW形式でも動画の再生・編集までらくらく行えるほどのパワーを持っている。
保存容量はThinkPadに内蔵のストレージだけでは足りないため、外部ストレージを用意、ThinkPad W541では搭載のThunderboltインターフェースを使った高速ストレージ、アイ・オー・データ機器のHDUS-TBSSSシリーズも駆使してバックアップを行った。ThunderboltはUSB 3.0よりもさらに速いデータ転送能力があるため、こういった現場でのバックアップに適している。

  • アイ・オー・データ 機器 HDUS-TBSSSシリーズ

    アイ・オー・データ

    HDUS-TBSSSシリーズは、高速インターフェイスThunderbolt™(サンダーボルト)に対応したポータブルSSDです。ドライブには最新のSamsung SSD 840 EVOを採用!転送速度は最大10Gbps(規格値)で、USB 3.0の5Gbps(規格値)の約2倍となっています。

    株式会社アイ・オー・データ機器
    〒920-8512 石川県金沢市桜田町3-10

    URL: http://www.iodata.jp/

なおThinkPadはノートPCでもあるため、当然、バッテリー駆動にも対応する。後半で説明するが撮影現場というのは電源の確保が難しくなりがち。休憩時間は電源関係の機材のメンテナンスをすることもあったり、セットチェンジによる電源ケーブルの再引き回しでPCに電源が取れない瞬間が発生することもある。そんな状況にも対応できるのがノート型の良い点だ。

  • ThinkPad Wシリーズなら電源のない現場でも現像と編集体制を作り出すことができる

  • 場所がなければ手持ちで機材ごと移動、部屋の片隅でデータコピーの作業ができる

ブラックマジックデザイン株式会社ブラックマジックデザイン株式会社

〒101-0021 東京都千代田区外神田3-6-4 OSビル8F

Blackmagic Designはこれまでに急速に成長を遂げ、ビデオテクノロジーにおける世界有数の先駆的なメーカーとなるに至りました。これは弊社の企業理念が清新かつシンプルなものだからです。「お客様の真のクリエイティビティを開花させる」、これが企業理念です。
Blackmagic Designは、品質と安定性の実現に尽力し、最も需要の高い分野に焦点を絞り、業界で最も話題に上った製品をいくつも開発してきました。Blackmagic Designは、優れたコーデックで世界的に有名になった今、同社のソフトウェアならびにハードウェアで構築したハイエンドの低価格編集ワークステーションの実現を目的としています。

URL: https://www.blackmagicdesign.com/jp/

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製品情報

  • ThinkPad W541

    NVIDIA Quadro K1100M/K2100Mに対応し、パフォーマンスに優れたモバイルワークステーション。

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  • ThinkPad W550s

    薄型・軽量化を実現し、長時間のバッテリー駆動も可能なモバイルワークステーション。

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  • ThinkStation P700

    インテル® Xeon® プロセッサーE5-2600 v3ファミリー搭載。マルチに使えるパワー、クリティカルタスクに応えるハイエンドワークステーション。

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  • ThinkStation P900

    インテル® Xeon® プロセッサーE5-2600 v3ファミリー搭載。これまでの常識を超えるパフォーマンスを得たエクストリームモデル。

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