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特集

ThinkPad 選ばれる理由

ThinkPadと描く再生シナリオ

2015年に発刊された『オープン・イノベーションの教科書』は、その後の日本の大企業に広まるオープンイノベーションブームの先導役を務めた。この本の冒頭で、「大企業から中小・ベンチャー企業、大学や研究所を含めて、日本の技術力は間違いなく世界一だ。ゲームのルールの変化についていけていないだけであり、体制を整えれば、必ずものづくりの復活はあると信じている。そして、その武器の1つがオープン・イノベーションなのである」と提言されているが、今自らそれを実践しているのが、この本の著者である星野達也だ。

およそ1年前、企業再生請負人として和歌山の写真処理機器、介護機器の開発、製造、販売を手がけるノーリツプレシジョンに入社、今年4月、社長に就任した。1951年より写真処理機の開発に携わってきた同社は、1976年、世界で初めて写真1時間仕上げを実現したミニラボを開発。これが世界181カ国で採用され、町の至るところにスピード現像の店ができた。売上高は1000億円に迫り、一部上場へと上り詰める。しかし、デジタルカメラの台頭によってフィルムカメラは衰退。現像の需要が激減し、売り上げは大幅に減少する。存続の危機に瀕するも、技術力を認めたファンドが出資を行い、企業再生のために白羽の矢を立てたのが星野だった。

PROFILE

ノーリツプレシジョン 代表取締役社長
星野 達也 氏

1972年生まれ。東京大学工学部地球システム工学科卒業後、スウェーデン・ルレオ工科大学客員研究員と東京大学大学院工学系研究科地球システム工学科修了。99年に三井金属鉱業入社後、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、ナインシグマ・ジャパンの設立に参画。2017年4月より現職。

「ものづくり業界のコンサルタントを長くやってきたこともあってか、ある日、ファンドからターンアラウンドマネージャーをやってくれないかと突然連絡が来たんです。でも和歌山には一度も行ったこともありませんでしたし、写真に興味があったわけでもなく最初はお断りしたんです。じゃあ他に誰かいないかというので、条件を絞り込んでいったら、そんな人はいないねとなったんです。仕方がないので、とりあえず一度、工場見学に行くことになり、一歩現場に足を踏み入れるとこれが面白い。私自身、もともと技術者なのでたまらなくなって、そのままやりますって言っちゃったんです(笑)」

この企業には今もグローバルで戦えるすごい技術がある。そこに可能性を感じ、自らに再生のミッションを課した。しかし、入社して間もなくことはそれほど単純ではないと思い知る。

「当社はもう4年間くらい投資をしていなかったんです。投資をしていないということは新製品がない、売るものがないんです。それから最盛期にはグローバルで数千人いた従業員が、いまや500人しかいない。みんな自信を失っているし、これまでにも何人か外から社長が来ていたこともあって、着任時はお手並み拝見という冷めた反応ですごいプレッシャーでした」

まずは人材育成に着手した。全社集会では自社の技術の優位性を唱え、課長以上が集う部課長会の場では徹底的にハンズオンでコミュニケーションを図る。またビジネススクールで教壇に立ってきたノウハウを生かし社内で講習会を開催し、リーダー格のメンバーにはビジネスの基本スキルを徹底的に教え込んでいる。さらに関西方面に多くいるシャープやパナソニックを早期退職した技術者たちを採用し、大企業ならではの開発スキームを積極的に取り込んでいる。

再建途上の会社ゆえ、社長といえども海外出張はエコノミークラス、社用車はアクア。唯一の贅沢は、「仕事の効率を高めるためにThinkPadを選んだこと」と笑う。

「月のうち3週間は和歌山にいて、1週間は海外に行く生活です。アメリカやカナダをはじめ海外拠点が6カ国にあって、それ以外にも代理店がたくさんあるのでこの1年で14カ国を回りました。もちろんThinkPadも一緒ですから、40万キロくらい、地球約10周分を共にしています。丈夫なのはもちろん起動が速いのがいいですね。後はバッテリーの持ちがいいことに加えて、チャージが速いのも助かってます」

そして、星野は企業再生への道のりはまだまだ2、3合目と話す。

「本当に面白い製品を作るために5年は覚悟しています。株主も短期的な成果で企業価値を上げることは望んでいなくて、地元の和歌山の人たちが安心して働ける会社にしてほしいと、それが最初に言われた言葉だったんです」

数年後、どんな企業へと再生しているのかとても楽しみだ。(敬称略)


星野氏がThinkPad 13(インテル® Core™ i7 プロセッサー搭載)を使い始めたのは約1年前、同社に入社してからのことだ。「仲の良い友人がずっと使っていて絶賛してるんですよ。でもなかなか機会がなくて、ようやく念願がかないました。使ってみるとやっぱりいいですね。仕事の効率が上がります。私は手が大きいんですけど、キーボードの大きさもちょうどいい。このThinkPadに負けないパフォーマンスを発揮していかなければ、と思いますね」

(文:藤野 太一/写真:栗原 克己)

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