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導入事例

TOTO株式会社

全社で利用可能なCAE基盤にレノボの高性能サーバーを多数採用。リモートグラフィックス技術との組み合わせによって端末や場所を選ばずに解析可能なCAE環境を実現。

導入について

デスクトップ仮想化や技術解析に精通したレノボのスペシャリストから力強い支援を受けられたことで、不安なくCAE基盤を構築することができました。

TOTO株式会社
情報企画本部 情報企画部 商品開発IT支援グループ
若林 貴伸 氏

新商品の開発や不具合の未然防止で重要な役割を担っているCAE

TOTOグループは、創立100周年を迎える2017年に向けて、真のグローバル企業へと進化するための長期経営計画「TOTO Vプラン2017」を策定しています。同グループは、TOTO Vプラン2017に基づき、国内住設、海外住設、新領域の事業軸と、これらに横串を通す3つの全社横断革新活動を推進しています。そして、TOTO Vプラン2017の一環としてITインフラの共通化・共有化も進めており、その対象となったインフラのひとつがCAE(Computer Aided Engineering)環境です。

同社のCAE適用領域は多岐にわたりますが、近年では開発工程のフロントローディングに役立てられています。

生産技術本部 技術開発センター CAE技術グループの村岡慶彦氏は、同社の主力商品である衛生陶器を例にとり、「多くの方にとって最も分かりやすいCAEの活用例が、大便器の開発です。大便器洗浄の複雑な水の流れを開発の初期段階にCAEで徹底的に分析することにより、洗浄機能の作り込みを行っています。また、衛生陶器の製造工程における不具合の未然防止にも役立てています。衛生陶器は、形状が複雑なために重力の影響を受けやすく、部位ごとに収縮率も異なり陶器にひびが発生する場合があり、それを未然に防ぐ目的からもCAEを活用しています。衛生陶器のひび発生箇所をCAEで予測し、開発の初期段階でひび割れが起こらない形状にしておくことで、商品の製造時に不良品が発生する割合を最小限に抑え込む取り組みを行っています」と説明しています。

CAEワークステーションの仮想化で事業部の垣根を越えたCAE環境を目指す

TOTOは、これまでCAEのプリポスト・ソルバーにスタンドアローンのワークステーションを採用していました。しかし、解析モデルの大規模化や解析件数の増加に伴い、単体のワークステーションでは次第に対応が困難になってきました。また、各事業部が自部門のIT環境を導入・運用する方針だったことから、ワークステーションの障害対応やCAEアプリケーションの更新作業なども事業部内で行われ、開発者が本来の開発業務に専念できないケースも見受けられました。さらには、各事業部にデータ管理を委ねていたために、深刻なシステム障害や大規模災害に備えたデータ保全も十分に行えていない状況にありました。

村岡氏は、「フロントローディングで活用するためには、高性能な計算機が求められていました。一方、それぞれの事業部がワークステーションを個別に導入し、事業部内でのみ共用していた関係から、リソースを効率的に使用できていないことも大きな課題でした。
そこで、TOTO Vプラン2017に基づき、グループ全体が一丸となってビジネスに取り組んでいく上で、事業部が垣根なく利用できるCAE基盤を構築しなければならないと考えたのです」と述べています。

同社は、2012年度より、CAE環境の刷新に向けた取り組みを本格的に開始しています。村岡氏が所属するCAE技術グループは、リモートグラフィックス技術を取り入れたCAEワークステーションの集約と共用を提議し、情報システム部門とともに調査や検証を進めてきました。

情報企画本部 情報企画部 商品開発IT支援グループの若林貴伸氏は、「当社が、CAE基盤の実現に向けて歩みを進められた背景には、リモートグラフィックス技術の進化が大きな鍵を握っています。この技術がなければ、データセンターに全事業部のデータを集約することはできても、プリ・ポスト処理は依然として開発拠点のワークステーションで実行しなければなりません。しかし、そのような運用スタイルでは開発拠点とセンター間で大量のデータ転送が発生しますので、ネットワークトラフィックの急増や操作レスポンスの低下を招いていたことでしょう。また、解析サーバーについては、社外の解析サービスを利用する方向も検討しましたが、当社の厳しい性能要件や多様な利用環境に対応することが困難と判断し、自社専用のCAE基盤全体をサービス利用する形が望ましいという結論に達しました」と説明しています。

CAE基盤を支える各種サーバーにLenovo System x iDataPlexを採用

TOTOは、CAE基盤を配置するデータセンターを決定した後、2014年度に基盤全体のプラットフォームを設計しています。その中ではシステムを構成する製品の選定作業も行われ、4つのリモートグラフィックス・ソリューションが候補に挙がりました。同社は、WAN環境でもプリ・ポスト処理がストレスなく行えることを検証環境によって確認し、さらに有力な2製品に絞って実業務での試験運用を実施しました。

この結果、最終的に採用されたのが、CAE基盤を支えるサーバー群としてレノボのデータセンター向けx86サーバー『Lenovo System x iDataPlex』、サーバーおよびデスクトップ仮想化ソリューションとしてCitrix XenServerとXenDesktop、GPUソリューション(3DグラフィックスおよびGPGPU)としてNVIDIA GRID™を組み合わせたリモートグラフィックス・ソリューションでした。

若林氏は、とりわけレノボのサーバーを採用した経緯を「レノボからは、当社の実機検証に先駆けてLenovo System x iDataPlex、Citrixの仮想化ソリューション、NVIDIA GRID™を組み合わせたシステム構成を提案してもらっていました。Lenovo System x iDataPlexであれば、高密度のサーバー構成によって物理台数を抑制できますし、CAE基盤を構成する各種サーバーをすべて同一モデルに統一して運用負荷も軽減できます。また、CAEワークステーションの仮想化は、当社にとってまったく経験のない世界でしたが、デスクトップ仮想化や技術解析に精通したレノボのスペシャリストがシステム提案の段階から力強く支援してくれました。このようなレノボの充実したサポート体制もレノボ製品の採用を大きく後押ししました」と語っています。

Lenovo System x iDataPlexは、データセンターでのさまざまな運用を想定して設計された製品で、専用の2Uラックマウント・シャーシに2 基のiDataPlex専用サーバー(システムボード)を収容できます。同社のCAE基盤では、仮想デスクトップ環境、データ解析、管理系サーバーのすべてにインテル® Xeon® E5-2600 v2ファミリーを搭載したiDataPlex専用サーバー『Lenovo System x iDataPlex dx360 M4』を割り当てています。

インテル® Xeon® プロセッサー E5-2600 v2製品ファミリーは、最大12個のCPUコアと最大1.5TBのシステムメモリーをサポートしています。また、CPUの処理性能を最大限に高める技術や仮想化の処理をハードウェアで支援する技術なども備えています。TOTOのCAE基盤は、数多くの端末から同時に利用されるきわめて高負荷の環境ですが、優れた並列処理能力を持ち、仮想化環境にも最適化されたインテル® Xeon® プロセッサー E5-2600 v2製品ファミリーなら、こうした厳しいワークロードにも柔軟に対応できます。

そして、CPUと並んで重要なのがGPUボードです。GPUボードは、ポスト処理において解析結果を3Dグラフィックスで可視化するときや汎用解析のための高度な数値計算に使用されます。同社のCAE基盤では、サーバーの役割やCAEアプリケーションの種類に応じて、CPUのみを搭載したサーバーとNVIDIA GRID™ K2ボードも同時に搭載したサーバーを使い分けています。また、仮想マシンがGPUに直接アクセスできるGPUパススルー技術を利用することで、GPU性能を最大限に引き出しながら、同時にスタンドアローンのワークステーションに匹敵するアプリケーションの互換性も達成しています。

レノボの高性能サーバーからなる新しいCAE基盤は、開発効率化や設計品質の向上に大きな力を発揮するでしょう。

TOTO株式会社
生産技術本部 技術開発センター CAE技術グループ
村岡 慶彦 氏

解析する端末や場所を選ばない開発者志向のCAE環境を実現

TOTOは、Lenovo System x iDataPlexを中核に据えたCAE基盤を一から構築し、小規模での試験運用と段階的なシステム拡張を経て、2014年12月に全社規模での本番運用を開始しています。同社のCAE基盤は、西日本のデータセンターに設置され、九州地区と関東地区の開発拠点からCAEアプリケーションの利用環境にアクセスする形がとられています。また、センター側に事業部のデータとデスクトップ環境を集約したことにより、端末の展開と障害復旧の迅速化、データの統合バックアップや災害対策などにつなげています。さらには、情報システム部門がCAE基盤を一元的に管理する体制に切り替わったことで、開発者は本来の解析業務に専念できるようになりました。

プリ・ポスト処理に使用されるCAE端末は、これまで解析に使用してきたCAEワークステーションやオフィスワーク向けのPCを流用し、これらのPCにCitrix Receiverを導入することで仮想デスクトップ環境へとアクセスしています。CAE基盤は、遠隔地のデータセンターに配置されているものの、従来のCAEワークステーションと変わらないレスポンスで快適に操作できています。また、解析する端末の種類や場所を問わなくなったことから、オフィスや会議室でさえも高度な解析を行えるようになりました。

CAEアプリケーションには、構造解析や流体解析を行う汎用ソフトウェアのほか、自社開発のソルバーも活用しています。例えば、大便器の洗浄性能評価は業界としてきわめて特異で、洗浄流れの挙動は気体と液体が混在する非常に複雑な現象となります。このため、TOTO独自の計算手法を取り入れた自社製ソルバーによって高精度の解析を実行しています。また、数多くのCAE端末から投入された解析ジョブは、ジョブスケジューラを通じて解析サーバー群に割り振られ、並列処理と負荷分散が行われます。

村岡氏は、「CAE基盤の構築と並行し、より開発者が使いやすいCAE環境を目指して改良を進めているところです。例えば、これまでの解析環境ではLinux環境に直接ログインし、ジョブを実行してきましたが、仮想デスクトップ環境に移行した現在は、Webインタフェースから解析ジョブを投入・管理できるようにしています。これにより、CAEに関する高度な知識を持った解析専任者だけでなく、通常の設計担当者であってもさまざまな解析に携われるようになると期待しています」と語っています。

CAE基盤の運用実績を踏まえて3D CAD端末の仮想化も視野に

TOTOの全社共通のCAE基盤は開発工程におけるフロントローディングに役立てられています。今回導入したシステムにより、すべての開発者が高性能な解析サーバーを活用できる体制を確立できました。開発者はCAE基盤を開発初期段階の設計最適化に利用することで、開発効率化、設計品質の向上に活用しています。TOTOでは、全事業部の解析力が大きく底上げされることで、商品のさらなる品質向上と新しい価値創造へとつなげていくことを目指しています。

また、CAE基盤での運用実績を踏まえ、将来的にはリモートグラフィックス技術を活用した3D CAD端末の仮想化も視野に入れています。同社の3D CAD端末は、各拠点に数多く配備されている関係から、仮想デスクトップ環境への移行にたいへん適しています。

TOTOにおけるLenovo System x iDataPlexのシステム相関図

若林氏は、「解析モデルの大規模化や高精度化はこれからも進んでいきますので、CAE基盤にはますます高い解析性能が要求されるでしょう。レノボからは、より多くのコアを搭載したCPUを選択でき、数多くのGPUカードを同時に装着可能な次世代サーバーが発売されることを心待ちにしています。そして、3D CAD端末の仮想化を本格的に進めていく段階になったら、CAEのときと同様にレノボのスペシャリストからさまざまな技術支援を受けられたらと思っています」と述べ、将来のレノボ製品や技術サポートに大きな期待を寄せています。

2015年3月取材

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