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導入事例

大妻中学高等学校

1500台の大規模導入を実施した、伝統校がめざす教育の先

導入について

「ICT」は21世紀の“お裁縫”。将来への準備として中高生に

大妻中学高等学校(東京都千代田区)は、創立110周年を迎えた伝統ある私立女子一貫校です。学祖である大妻コタカ氏の言葉「恥を知れ」を校訓に掲げ、「良き時代の要請に応える教育」を実践しています。

同校は、東京都千代田区に地上9階、地下1階の広大な校舎を構え、学習効率を考えた教室や無線LAN環境を整備。充実した教育環境の中で、中学研究論文や先端講座出前授業、海外研修プログラムなど多様な教育に取り組んでいます。


大妻中学高等学校が一人1台を本格的に実施したのは、2018年のこと。当時の中学1年生から高校1年生までの全生徒を対象に、「Lenovo 2in1 タブレット IdeaPad Miix 320」を1200台導入してICT活用をスタートしました。

これについて同校の成島由美校長は、「本校は、“良き家庭人であれ、良き職業人であれ”という学祖の教えのもと、お裁縫の学校として始まりました。それは、明治・大正時代の女性が生き抜くために必要な技術力がお裁縫だったからです。では、21世紀を生きる生徒たちにとっての“お裁縫”は何か。

大妻中学高等学校
成島由美校長

たどり着いた答えが『語学』と『ICT』でした」と語ります。大妻中学高等学校がその昔、付加価値の高い手芸品をつくる学校として知られたように、これから社会を生き抜く生徒たちには、付加価値の高い仕事ができるようにICTスキルを身につけてほしいというのです。

一方で、大学入試改革におけるCBT導入も、同校の一人1台を後押ししました。中高で何を学んできたのか、学習ポートフォリオに蓄積し、多面的評価が重視される時代に変わってきています。

成島校長は、「与えられたテーマや課題に対して、情報を収集し、自分の考えをアウトプットできるスキルも問われるようになりました。こうした学習を実現するためには、紙と鉛筆では限界があり、ICTの活用は欠かせません」と述べています。


さらには、生徒たちが進学する大学もICTの活用が広がってきました。大学生たちは一人1台のコンピュータを持ち、人気講座をネットで申し込んだり、授業の評価を行ったりと、大学生活でのICT活用は欠かせないものになりつつあります。「生徒たちには、大学へ行ってからも違和感のない生活を送らせてあげたいのです」と語る成島校長は、中高の間にICTスキルを伸ばすことで、将来への準備につなげるという考えもお持ちです。

大規模な端末導入に強いLenovoを選択。教育用PCとしても適切な価格

このような経緯で一人1台を実施した大妻中学高等学校。現在、同校は一人1台の取り組みも2年目を迎え、「Lenovo 2in1 タブレット IdeaPad Miix 320」と「Lenovo IdeaPad D330」、2機種合わせて1500台の端末が稼働しています。

大妻中学高等学校
Chief Information Officer/ICT Education Coordinator
加藤悦雄先生

同校でChief Information OfficerとICT Education Coordinatorを務め、ICT教育を支える加藤悦雄先生に製品選定や活用についてお話を伺いました。

まずは、Lenovoの2 in 1 タブレットを選択した理由について。“キーボード付きで1kg以下”、“1200台の端末を確実に調達できること”、“教育用コンピュータとして適切な価格であること”の3つが選定条件の優先項目だったといいます。

なかでも重要だったのは、1200台という大規模な台数の調達が可能であるかどうか。「本校の場合は、大学入試改革のCBT導入に向けて、対象学年となる当時の中1から高1までの全生徒に対して、一気にICT導入を進めたいという考えがありました。この要望に応えてくれるPCメーカーは、他の教育機関への導入実績を考えてもLenovoしかないと判断しました」とご評価いただきました。


また、文部科学省はGIGAスクール構想において予算補助をすることで小中学校へのPC導入を進めていますが、「本校の導入したタブレットPCは予算的にその範囲内に収まる努力をLenovo社やベンダーのご協力で実現できました。学校用・教育用のコンピュータであれば日々の使い方もセオリーがあり高額なPCだから良いというわけではありません。

大は小を兼ねないのが学校現場でのICT活用の肝です。教員からは、ドキュメント、表計算、プレゼンテーションなど、実際に社会で使われているツールと同じものを生徒に与えたいという意向がありました」と加藤先生は語り、その要望を満たす端末とスペックを考慮し、Lenovoの2 in 1タブレットをお選びいただいたとのことです。

そして、もうひとつ。前出の優先項目には挙げられていませんが、機種選定のプロセスでは、Lenovo2 in 1タブレットのスタイリッシュなシルバーカラーが好評だったといいます。大人目線の効率重視の選び方ではなく、“10代の中高校生たちが使いたいかどうか”という目線も重要だというのです。

授業で使用したデータをクラウドで保存し、学校と家庭でシームレスな学習環境を実現

大妻中学高等学校では、日常の授業の中でICT活用が広がっています。メインで活用しているのは、教育機関向けクラウド「Google for Education」。同校では、教員と生徒全員にG Suiteのアカウントを配布し、クラウドで学習環境を築いています。

なかでも、よく使われているのが学習管理ツール「Google Classroom」です。教員ごと、教科ごとにクラスページを設け、その中に授業で使用した資料やスライド、プリントのデータなどを集約し共有しています。

「Google Classroom」でオンライン上にクラスを作成。
部活動やさまざまなアクティビティを共有している。

たとえば情報の教科では、板書のスライドや資料、生徒たちが作成したグラフ、出欠確認フォームや振り返りシートなどをClassroomで共有し、その日の授業で何をやったのかが一目でわかるようになっています。

「自宅のPCやスマホからもアクセスすることも可能で、学校と家庭、シームレスな学習環境を築いています」と加藤先生は述べています。


例えば家庭科の実習動画。これらも「Google Classroom」で共有されている。

家庭科ではGoogle Classroomを用いて、教員が包丁の使い方や運針、調理実習の手順などに関する自作動画をつくり、生徒たちに共有しています。

今までは、教員の周りに生徒が集まってお手本となる動きを見ながら学んでいましたが、一人1台の環境では、生徒全員が手元のタブレットで動画を見ながら学習。自分のペースで何度も繰り返し確認できるうえ、授業中の説明時間も短縮できる効果があるといいます。

ほかにも、道徳の時間でGoogleクラスルームやGoogleフォームを活用しています。道徳の課題は、話し合いの活性化であり、その手段としてICTが有効だというのです。


たとえば、京都への修学旅行を控えた中学3年生授業。“茶道を追究しよう”をテーマにした協働学習を実施し、グループワークで調べた内容を発表して、茶道のマナーや世界観について意見を交わしました。調べ学習やプレゼンテーションなど、道徳の時間においても生徒主体の時間を作りやすいというのです。

また、数学科で取り組んでいるAI技術を活用したドリル学習の効果で「数学嫌い」が減ってきています。デジタル教科書も標準装備しており、学級全員がデジタル教科書を開いても授業中に不具合が起こることがありません。これらの成果は、文部科学省「デジタル教科書の効果・影響等に関する実証研究事業」の協力校として検証事例を提供しています。

困りごとの早期解決をめざす教員間のコミュニケーション

大妻中学高等学校では、1500台もの端末をどのように管理・運用しているのでしょうか。

1500台導入の内、導入1か月後の修理台数は17台という圧倒的な少なさ。

同校の端末管理で注目したい点は、導入1ヶ月後の故障率が大幅に低いことです。加藤先生によると「一般的に、どのメーカーのコンピュータでも大規模導入となれば、初期不良は2割弱くらいだろうと想定していました。しかし、Lenovoの場合は0.5%に抑えられ、驚いています」と語っています。

導入1ヶ月の間に発生した修理件数のグラフを見せていただくと、端末の破損の原因として、一番多いのは画面割れでした。通学中、ラッシュの満員電車の中で押されてしまい、画面が割れてしまうケースがほとんどだといいます。


「Googleハングアウト」で教職員のICT問い合わせ窓口作成。校内にいつでも質問を投げかけられる対応窓口があるのは教員たちにとっても大変ありがたいだろう。

一方で、加藤先生は端末管理の一環として、教員間でICTに関するトラブルや困りごとを共有できる仕組みをつくっています。

具体的には、コミュニケーションツールの「Google ハングアウト」を活用して教員間でグループを作成し、何か困ったことが発生すれば、グループ内にいつでも質問を投稿できるというもの。解決手段や対応策を知っている教員が返事をすることで、対応を後回しにしない体制を築いています。

授業時にトラブルが起こると「教員たちの、“どうすればいいかわからない”と迷う時間を短縮することが大事だと考えています。

トラブルや不具合が積み重なると、“タブレットの使用をやめよう”という発想になりがちなので、教員たちが困っている初期段階でコミュニケーションが取れる環境が必要だと思いました」と加藤先生は語ります。


ICTがあるからこそ、届く世界がある!

大妻中学高等学校では、一人1台を実施してから、どのように学びが変わったのでしょうか。

成島校長は全体を振り返り、「教え合い、学び合いの場面が確実に増えてきました」と述べています。ICTを利用することで、生徒たちも“わからない”と言葉にしやすく、逆に自分の知っていることを教えてあげる生徒たちも多いそうです。自分の意見を発表する場面、他の生徒の意見を知る機会、グループで行う協働作業も増え、生徒同士が関わる場面が増えているといいます。

例えば、学年合宿やオリエンテーションでは、全員がタブレット持参で参加します。そこでの課題について、タブレットで自分の意見や考えをまとめ、グループディスカッションでは、お互いの画面を見せ合って話し合う光景が見られました。

また、2019年度に実施した海外研修視察では、アメリカのシアトルにあるマイクロソフト社やボーイング社、またシリコンバレーにあるIT企業や世界のトップ大学を訪問し、生徒たちがタブレットPCを使って英語でプレゼンを行いました。

「生徒たちがプレゼンのスライドをまとめ、英語で発表し、目で、音で、動きを組み合わせて、自分たちの言いたいことを伝える姿に感動しました。

ICTがあるからこそ、世界でも通用する場に立てるし、一流の方からアドバイスももらえます。作文を読むだけの発表では、ここにはたどり着けず、生徒たちにとってICTは自分を高める道具だと思うのです」と、成島校長は生徒たちの成長を振り返りました。


さらに2019年度からは、テクノロジー活用の最先端を知る企業担当者や、大学の研究者を特別講師として招いた先端講座出前授業をスタート。2018年から日本郵便の担当者を講師に招き、高校2年生がドローンやAIを用いた配送効率化など企業が取り組む最新課題に触れ、PythonでAIアプリの開発に挑戦する授業を実施しました。生徒たちは夢中になって取り組み、授業中の挙手も増えたといいます。

成島校長は「最先端を知る大学の先生や、テクノロジーで課題解決をする企業の方が特別講師として、生徒たちにリアルな未来を語ってくれる。そうした話を通じて、生徒たちはPythonを学んでおいた方が得だと分かっています。自分の将来に親和性があると思えるからこそ、主体的に学ぶと考えています」と語ってくれました。AIに使われるのではなく、AIを活用していく立場だと着想を得ることが重要だというのです。

加藤先生はPythonのプログラミング授業について、「アプリを作ったときは、“私もできたんだ!”という達成感が得られたようでした。授業の後にはもっと学ぶにはどうすればいいかと質問する生徒もいます。

技術系の学校のような内容を、普通科の生徒が自分のコンピュータで学べるようになり、将来の可能性を広げられるようになりました。“大妻で学ぶ価値”を高めることができたと考えています」と振り返ります。

技芸学校から始まり、伝統を継承しつつ、時代の要請に応える人材を育んできた大妻中学高等学校。生徒たちの未来や世界を広げる手段として、今後もICTの活用を広げていきたい考えです。


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