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導入事例

ラピュタロボティクス株式会社

自律走行搬送ロボットで物量業界に変革を、レノボのエッジ・サーバーが支える物流DX

導入について


国内AMR市場をリードするRapyuta Robotics

2014年にスイスのチューリッヒ工科大学からスピンオフして起業したRapyuta Robotics(以下、ラピュタロボティクス)は、クラウド基盤からロボットを制御する「クラウドロボティクス」技術を活用し、ロボット開発・運用ソリューション事業を展開してきた。国内には東京本社の他にも木場(東京都)と大阪に支社を構え、インドのベンガルール、米国シカゴにオフィスを構えるグローバル企業だ。

同社はコア・パーパスに「マシンとマシンを繋げ、人々の生活を豊かにする。」を掲げている。「きつい」「汚い」「危険」といわれる仕事を自動化し、人々がより知的で創造的な仕事にチャレンジできる選択肢を与えるため、「マシンとマシンを円滑に連携・協働させることで自動化を可能にしたい」という想いが込められている。

現在、ラピュタロボティクスは、「RaaS(Robotics as a Service)」をビジネスモデルとする物流分野に参入し、その主力事業「AMRソリューション」が急成長を遂げている。

AMRとは「Autonomous Mobile Robot」の略で、日本語では「自律走行搬送ロボット」と呼ばれる。倉庫の形状や障害物を検知し、自律的に障害物を避けたり、最適なルートを選択しながら柔軟に倉庫内での搬送作業を担うロボットだ。

これまで物流の現場では「自動搬送車(AGV)」が主に活用されてきた。磁気テープなどの誘導体(ガイド)に沿って決まったルートを走行するAGVと比べて、AMRは使い勝手がよく、導入にかかる費用や時間を抑えられる点が特徴だ。

ラピュタロボティクスは日本国内のAMR市場をリードしており、2023年に物流倉庫向け販売台数として前年の1.7倍を見込んでいるという。


AIで、ヒトとロボットが物流現場で
効率よく協働する「ラピュタPA-AMR」

ラピュタロボティクスのPA-AMR事業部長/SeniorProduct Managerを務める相澤和宏氏は、物流業界が抱える課題を次のように指摘する。

「世界的なパンデミック以降、EC事業の拡大など多くの業種で起きたビジネス変革のしわ寄せが物流事業者に重くのしかかっているといえます。また、慢性的な人材不足や労働者の高齢化などの課題が指摘される中、物流現場における自動化は避けて通れません。そのため、物流DX(デジタル・トランスフォーメーション)が進んでいる状況です」

そうした物流現場の課題を解決するため、ロボットの協調技術で複数の特許を取得済みである同社が、その強みを活かして物流倉庫事業者向けに提供しているソリューションが「ラピュタPA-AMR」だ。2022年には東京都が主催する「東京都ベンチャー技術大賞」で優秀賞を受賞している。

ラピュタPA - AMR は、クラウドロボティクス基盤「rapyuta.io」と群制御AI技術、複数台のAMR(ロボット)で構成されるソリューションだ。倉庫内にある出荷製品を収品するピッキング作業を人と協調して実施する。

AMR本体にカメラや「LiDAR(レーザーレーダー)」を搭載し、画像認識で棚のレイアウトや障害物の有無を認識できる。さらにAMRが人や物を避ける判断を自動的に行い、クラウド基盤上のAIがAMR間の動作連携や作業手順を最適化するという仕組みだ。

荷物を集める際、ロボットが目的の商品まで最短距離で移動して到着した場所で積む商品の画像をタッチパネルに表示して作業スタッフを待つ。作業スタッフはその指示通りに商品を選び、積み間違いがないようにバーコードでチェックする。ピッキングが終わると、次に向かうべき棚の位置が表示される。作業スタッフへの指示は、群制御AIが効率的な動線や作業工程を自動計算して導き出す。

相澤氏は「ロボティクス技術ではルートの最適化や物品の自動搬送などが得意です。一方、ピッキング作業自体は人間が手で行う方が適しています。人間とロボット、それぞれが得意なことに注力できる点で物流現場におけるピッキング作業の効率化や作業スタッフの身体的な負荷の軽減にも役立ててもらっています」と胸を張る。

また、「複数ロボットの一括制御やロボットのログ管理やソフトウェアのインストールなどの管理作業を包括的に実施できる点も技術的な優位性です」と説明する。そうした物流現場の課題解決に貢献している同社のAMRソリューションを支えているのが、レノボが提供するハードウェア製品群だ。


データセンター級の性能なのに非常にコンパクトな
エッジ・サーバー製品群

ラピュタロボティクスでは、AMRソリューションの基盤としてレノボのハードウェアを活用している。それが、エッジ・サーバー製品群「ThinkEdge」シリーズだ。

ThinkEdgeは、昨今のエッジコンピューティング環境での処理ニーズに応える製品群として提供されているハードウェア製品。データセンターサーバー級のパフォーマンスや信頼性を持ちつつ、倉庫や屋外などでも設置稼働できる堅牢性やコンパクトさを備えている点が特徴だ。

ラピュタロボティクスでSenior I n f ras truc ture Operations Engineerを務めるRobert Tiinus(ロベト・ティヌス)氏は「ThinkEdgeサーバーは、倉庫内のローカルサーバーとして、クラウドと連携してロボットの制御と管理に活用されています」と説明する。

たとえば、エッジ・サーバーでは遅延なく現場のロボット制御やルート最適化などの処理を行いつつ、クラウド環境ではロボット/作業スタッフの運用監視やダッシュボード表示、各種WMS(倉庫管理システム)との連携などを支えているという。

ティヌス氏によると、ハードウェアの選定では複数ベンダーの製品を検討したという。その中で、ThinkEdgeサーバーを選んだ理由として、同氏は「省スペースである」点を挙げた。

「物流倉庫では、いかにスペースを多く確保するかが重要です。そのため、現場に設置するシステム機器にも高密度化と省スペース化が求められます。ThinkEdgeサーバーは、設置面積に制約がある場所でも柔軟に配置できる点が良かったです」(同氏)

また、同氏は、各倉庫にあるエッジ・サーバーがクラウドと連携することで、集中管理運用が可能である点が事業拡大の重要要素だと語る。


「現場にあるロボット自体が高性能なので、リアルタイム制御やメンテナンスには多くの情報を取得する必要があります。そのため、ラピュタのエンジニアと各物流現場とのコミュニケーションを強化できるシステム構成が鍵です。結果、顧客企業からの苦情は今まで来ていません」(ティヌス氏)

さらに同氏は「顧客企業の物流倉庫50サイト以上で、約500台のロボットが分散して稼働しています。これらサイトで稼働するThinkEdgeサーバーは、リモート管理が可能な点も気に入っています。データセンターグレードサーバーでは当たり前のことですが、遠隔分散稼働するエッジ・サーバーではさらに重要な機能です」と評価する。


倉庫業者向けビジネス拡大に向け、
従業員がノートPCの最適解と評価するThinkPad

ラピュタロボティクスの従業員は、主に事業部門とエンジニア部門で構成される。従業員の4割となる事業部門のほぼ全スタッフが日々の業務で活用しているのが、レノボのノートPC製品群「ThinkPad X1 Carbon Gen 11」「ThinkPad X13 Gen 4」だ。 ThinkPad X1 Carbonシリーズは、薄型かつ軽量ながら耐久性・携帯性に優れたハイブリッドワークに最適なフラッグシップ製品として人気のシリーズである。2023年4月に発売開始された「ThinkPad X1 Carbon Gen 11」は、第13世代インテル® Core™ プロセッサーを搭載する14型液晶搭載、本体質量は約1.12kg~、バッテリー駆動時間は最大約28.5時間(JEITA 2.0に基づく)となっている。

ThinkPad X13シリーズは、携帯性に優れた13.3型液晶搭載のモバイルノートPC。2023年4月に発売開始された「ThinkPad X13 Gen 4」は、第13世代インテル® Core™ プロセッサーを搭載し、狭額縁化で筐体をコンパクト化しつつ、高解像度な5MP Webカメラが搭載可能であるなど、今日の働き方に合わせて進化している。

ラピュタロボティクスでは、多くのスタッフがThinkPadを使い続けているという。実際のユーザーでもある相澤氏は「ロボットソリューション事業では、営業スタッフもサポートスタッフもとにかく多くの現場を毎日飛び回っています。そのため、ノートPCのモビリティは極めて重要です。その他にもネットワークの接続性やコンパクトなサイズ感などの要素が必要とされる中で、総合的なバランスが良いですね」と使い続けている理由を説明する

また、相澤氏はThinkPad X1ならではのキーボードの打鍵感に加え、日本語配列/英語配列にも対応でき、全社で同一モデルを活用できる点も評価する。さらに同社は現在、事業拡大に伴い、グローバルで人事採用を展開中であり、「場合によってはPC調達が間に合わなくなる可能性もあるが、レノボであれば安定して供給してもらえる点も非常に魅力的です」(同氏)とのことだ。

相澤氏は「PC本体の軽さや操作性、コネクティビティなどの要件を全てバランスよく満たしています。私たちがノートPCに求めている最適解が、ThinkPadでした」とレノボ製品に厚い信頼を寄せていることを明かした。


事業拡大に欠かせないパートナー

現在、同社ではAMRソリューションを展開する場合、実際に顧客の物流倉庫でAMRを稼働させて効果を検証している。AGVと違い、既存のレイアウトを変更する必要がなく、人が働く現場でも短期間で導入可能だ。「一時的にクイックに設置できるだけでなく、万が一、適用できなかった場合でも素早く撤収できます。私たちのビジネスモデルではモビリティが重要であり、その点に関してもレノボ製品は相性が良いと思います」(相澤氏)

ラピュタロボティクスでは、短期的な目標として「AMRの稼働台数 1,000台」「導入倉庫数 100施設」を見据えている。また、AMRに限らず倉庫内のオペレーション改善を支えるソリューションの提供を目指すという。具体的には、自律走行フォークリフトの開発を進めており、2023年中にも発売する計画だ。より多種多様なロボットをAIで協調制御することで自動化を促進する方針を打ち出している。

さらに、相澤氏は「米国の物流業界における課題は日本企業とも近いと捉えています。グローバルで先行する企業を追いかけて自社の事業規模をもっと拡大していきたいです」と意気込む。

また、ティヌス氏は「さらなるAMRの進化とともに、コンパクトで高性能、リモート管理可能なエッジ・サーバーを通じて、お客様が求めているオペレーションの改善をより良いプロダクト・ソリューションの提供によって支援したいと思います」と今後の製品展開の方針を明かす。

現在、ラピュタロボティクスでは事業拡大に伴い、ThinkPadシリーズを四半期毎に約10台ずつ、ThinkEdgeサーバーも年2回の頻度で導入するなど継続的に購入している。

「私たちはスタートアップ企業ということで少ない人数でソリューション開発や顧客サポート事業を展開してきました。レノボさんのようにITインフラや技術・ソリューションに強みを持つ企業とパートナーシップを組んで色々な支援をいただきながら事業を拡大していきたいと思います。今後も引き続き、サポートしていただければと考えております」(相澤氏)。

ラピュタロボティクスとそのお客様を支えるレノボのハードウェア製品群。その特徴は自社のビジネスとの親和性が高く、事業成長を支える役割を担っているという。社会の重要インフラでもある物流業界のDXに貢献する同社と、その実現を下支えする存在であるレノボの活躍を今後も期待したいところだ。



「一時的にクイックに設置できるだけでなく、万が一、適用できなかった場合でも素早く撤収できます。私たちのビジネスモデルではモビリティが重要であり、その点に関してもレノボ製品は相性が良いと思います」

ラピュタロボティクス株式会社
PA-AMR事業部長/Senior Product Manager
相澤 和宏 氏

「物流倉庫では、いかにスペースを多く確保するかが重要です。そのため、現場に設置するシステム機器にも高密度化と省スペース化が求められます。ThinkEdgeサーバーは、設置面積に制約がある場所でも柔軟に配置できる点が良かったです」

ラピュタロボティクス株式会社
Senior Infrastructure Operations Engineer
Robert Tiinus 氏

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  • Lenovo ThinkEdgeシリーズ

    データセンター級の性能なのに、堅牢でコンパクト!設置場所を選ばないLenovoのエッジ・サーバー

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