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Nutanix販売実績No.1代理店の日商エレとレノボが手を組みハイパーコンバージドインフラ市場に攻勢をかける

x86系サーバーのみで仮想化インフラを構築

─ 昨今、エンタープライズITの市場で「ハイパーコンバージドインフラ(HCI)」というキーワードが注目され始めました。背景には、企業のどんな課題があるのでしょうか。

レノボ・ジャパン株式会社 データセンター・グループ事業本部 事業部長 上原 宏 氏

レノボ・ジャパン株式会社
データセンター・グループ事業本部 事業部長
上原 宏 氏

上原:企業の情報システムは、今や仮想化が当たり前となり、さらにオンプレミスとパブリッククラウドを融合したハイブリッドクラウド化が進んでいます。これによりビジネスの俊敏性は格段に向上しました。しかし、これを支えるITインフラに目を向けてみると、従来とは比較にならないほど複雑性が増しており、IT部門の負担は限界に達しています。仮想化インフラやハイブリッドクラウドを構築する上で必要となるコンポーネントのすべてをアプライアンス化し、設計や運用管理を簡素にすることで、この課題を解決するのがHCIです。

─ 同様の課題は数年前から指摘されており、各ベンダーは「垂直統合システム」といった呼び名でコンバージドインフラ(CI)を提供してきました。こうした従来型のCIとHCIはどんな点が違っていますか。

坂井:おっしゃるとおり、2012年頃から各ベンダーは相次いでCIを市場に投入してきました。ただ、その中身はサーバー、ストレージ、ネットワークなどの構成要素をベンダー側で統合しただけで、アーキテクチャーそのものは従来からの「3ティアモデル」と何ら変わりはありません。これに対してHCIは、x86系サーバーのみで仮想化インフラを構築します。

日商エレクトロニクス株式会社 ITプラットフォーム事業本部 事業本部長 坂井 俊朗 氏

日商エレクトロニクス株式会社
ITプラットフォーム事業本部 事業本部長
坂井 俊朗 氏

榎本:具体的には「Nutanix」というSDI(Software-Defined Infrastructure)のOSを利用し、ストレージ機能もネットワーク機能もソフトウエア化します。これにより単純にサーバーをスケールアウトするだけで、コンピューティングのパフォーマンスもストレージ容量もリニアに拡張できます。

橘:これまではサーバーやストレージといった階層ごとに管理者を配置し、それぞれ専用のツールやコンソールを使って設定や構成変更、監視を行ってきました。こうした階層をごっそり削減できることは、運用管理に負荷軽減に大きく貢献します。

─ HCIはIT部門だけでなく、ビジネス上でもメリットをもたらすのでしょうか。

坂井:もちろんです。新しいビジネスのアイデアを思い付いたとき、NutanixをベースにしたHCIを活用すれば、必要なITインフラを短期間で立ち上げて実行に移せます。また、先ほど榎本が「サーバーをスケールアウトするだけ」と申しましたが、裏を返せばこれは、必要最小限のノードからスモールスタートできることを意味します。不確実性の高い新規ビジネスにチャンレンジする際のリスクを最小限に抑えられるなど、財務面でも大きなメリットを提供できると考えています。

日商エレクトロニクス株式会社 ITプラットフォーム事業本部 副事業本部長 兼ITプラットフォーム営業部長 榎本 瑞樹 氏

日商エレクトロニクス株式会社
ITプラットフォーム事業本部 副事業本部長 兼ITプラットフォーム営業部長
榎本 瑞樹 氏

─ NutanixベースのHCIの技術的なメリットはどのような点でしょうか。

榎本:Nutanixには「Acropolis」というコアソフトウエアが搭載されており、そのソフトウエアには、高速なI/Oを提供する仕組みや様々なストレージ機能を提供する高度な分散ソフトウエアアーキテクチャー「Distributed Storage Fabric」、異なるハイパーバイザーやクラウド間でVMの移行や障害復旧に対応する「App Mobility Fabric」、KVMベースをカスタマイズした無償のハイパーバイザー「Acroplis Hypervisor」で構成されています。

例えば新規アプリケーションの開発やテストは無償で利用できる「Acropolis Hypervisor」上で行い、完成したVMを「App Mobility Fabric」の機能で1~2クリックで変換、本番環境の別のハイパーバイザーに移行することが可能です。特定のハイパーバイザーに縛られることがなくなり、ひいてはライセンス費用も削減できます

橘:NutanixをベースとしたHCIは、ベンダーの垣根を打ち崩していくものなのです。

※ VMwareからAcropolis HypervisorへのConvertは可能であるが、その逆は現時点で未対応。

Nutanixアプライアンスの提供開始 業界随一のラインアップを拡充する

─ ユーザーの選択肢が増えるということは、それだけベンダーにとっては競争が激化することを意味します。ユーザーから選ばれるベンダーとなるために、レノボはどんな強みを持ったHCIを提供していますか。

レノボ・ジャパン株式会社 データセンター・グループ事業本部 製品統括本部長 橘 一徳 氏

レノボ・ジャパン株式会社
データセンター・グループ事業本部 製品統括本部長
橘 一徳 氏

上原:レノボ・ジャパンとしては、今年1月よりNutanixアプライアンスの提供を開始しました。インテル® Xeon® プロセッサー E5-2600 v4 製品ファミリー搭載の「Lenovo Converged HX シリーズ」というモデルがそれで、スケールアウトでノードを追加していくことができます。

もちろんグローバル本社もNutanixアプライアンスに対する開発投資は積極的で、今後に向けて業界随一のラインアップを拡充していこうとしています。

例えば、エンジニアリング向けVDI(仮想デスクトップ)を想定したGPU搭載モデル、I/O性能を飛躍的に高めるオールフラッシュモデル、「Nutanix Xpress」ライセンスを採用してローコスト化を図った中堅・中小規模向けモデル、1シャーシに4ノードのサーバーを実装した高密度モデルなど、矢継ぎ早に投入していく計画です。搭載しているインテル® Xeon® プロセッサー E5-2600 v4 製品ファミリーも8コアから44コアまであり、メモリーも最大768GBと多彩なラインアップでお客様の業務用途にきめ細かく対応できるのがレノボの強みです。

橘:Lenovo Converged HX シリーズに搭載されているサーバーは、IBM時代から信頼性に対する高い評価を獲得してきた System xファミリーです。コアとなるハードウエアの信頼性にどこまでこだわるかによって、同じHCIを構築するにしても完成度がまったく違ってくるのです。

また、Lenovo Converged HX シリーズは、レノボ・NECグループのNECパーソナルコンピュータ 米沢工場において、内部オプションのキッティング、ラッキングおよびケーブリング、ソフトウエアインストレーション、各種設定、DAIG/エージングテストなどのファクトリー・インテグレーション・サービスを実施し、お客様のもとに届けられます。その後の保守についても、全国27カ所のサービス拠点からIBMの技術員が駆けつけます。さらに、レノボはNutanixとエンジニアレベルでパートナーシップを結んでおり、米国レノボの開発グループとNutanix本社が連携して障害時の問題解決にあたります。お客様のシステムの安定稼働のために、ここまで手厚い体制を整えているのはレノボだけと自負しています。

Lenovo Togetherプログラムの下 日商エレクトロニクスとの協業が実現

─ そうしたレノボのアドバンテージをさらに強化していくため、日商エレクトロニクスと手を組んだということですか。

インテル® Xeon® プロセッサー E5-2600 v4 製品ファミリー搭載 Lenovo Converged HX シリーズ

インテル® Xeon® プロセッサー E5-2600 v4 製品ファミリー搭載 Lenovo Converged HX シリーズ
筺体は3タイプから選択できる

上原:そうです。レノボが日本のHCI市場拡大に向けて最も注力しているアライアンス戦略「Lenovo Togetherプログラム」に基づくもので、リセラーや主要なソフトウエアベンダー、ハードウエアベンダーとの連携を強化しています。日商エレクトロニクスさんは共同でNutanixアプライアンスの需要喚起を図っていく販売パートナーの最初の1社です。

実際のところNutanixに関しては、私たちよりも日商エレクトロニクスさんのほうがはるかに長い経験と豊富な技術ノウハウを有しており、これ以上ない心強いパートナーに巡り会えたと感謝しています。

坂井:改めて当社とNutanixの関係をお話しさせていただくと、まだNutanix日本法人が設立される前の2012年、日本で最初のNutanixディストリビューターとして代理店契約を結んだのが発端です。以降、着実に導入実績を積み重ね、2016年1月には国内最多となる160ブロックの販売を達成しました。

こうした実績はNutanix本社からも高く評価され、最高ランクの代理店に選ばれていることから、他の商流よりも少ない間接コストでNutanix製品を調達できます。また、技術面でも緊密な連携が取れるため、お客様にコストとサポートの両面でより優位性の高いソリューションを提供できるのが当社の強みです。

メインフレーマーの牙城に共同戦線で切り込んでいく

─ この協業によって日商エレクトロニクスとレノボの両社は今後、日本市場に向けてどのような施策を展開していくのでしょうか。

「東京・豊洲の技術サポートセンター『NETFrontier Center』を活用し、レノボのNutanixアプライアンスの普及に協力します」

橘:アーリーアダプターのお客様は別にして、一般企業のお客様はHCIの導入に、まだまだ尻込みしているケースが少なくありません。そんなお客様の意識を変えるためにも様々な業界・業種に向けたケーススタディーを用意し、提示していけたらと思います。

榎本:国内で最も豊富なケーススタディーを持っているのは当社ですから、いくらでも協力させていただきます。東京・豊洲の技術サポートセンター「NETFrontier Center」に Lenovo Converged HX シリーズを含め国内最大規模となる20ブロックのNutanix検証機を設置しましたので、デモンストレーションやPoC(概念実証)なども共同でやっていきたいです。

坂井:私としては、かつてのメインフレーマーが今なお大きな勢力を維持している、大手企業や公共などの“牙城”を切り崩していきたいという思いがあります。

上原:確かにレノボのNutanixアプライアンスであれば、ミッションクリティカルな基幹業務の運用にも耐えられるので十分にチャンスはあります。ケーススタディーという話がありましたが、それにとどまらず様々なソリューションやベストプラクティス、検証済みリファレンス、業務テンプレートといった武器を共同で整え、積極的な攻勢をかけていきたいですね。

─ 今後の両社の協業による取り組みが、ますます楽しみになってきました。本日は貴重なお話しをどうもありがとうございました。

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ハイパーコンバージドソリューション[Nutanix]

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