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導入事例

日信ITフィールドサービス株式会社

LenovoのHCIプラットフォームで「進化・発展し続ける仮想化基盤」を実現

導入について

仮想化基盤のスケーラビリティ向上を目指してHCI導入を検討

日信ITフィールドサービス株式会社(以下、日信ITフィールドサービス)は、日本信号グループの一員としてグループ企業のITシステムの構築・運用を担うほか、グループ外のさまざまなITベンダーの製品導入や保守などを請け負う総合ITソリューションベンダー。情報システム全般からネットワーク、セキュリティに至るまで多種多様なソリューション分野において、特定の製品ベンダーに依らないベンダーフリーの立場からコンサルティング、設計、構築、運用、保守の一連のサービスをワンストップで提供している。

なお同社の親会社である日本信号株式会社(以下、日本信号)は、信号機や改札機など公共交通にかかわる重要インフラ製品を幅広く扱っている。従って、日信ITフィールドサービスにおいても、日本信号で利用されるシステムを設計・構築・運用する際には、高い安全性や保安性、セキュリティ対策が求められている。

それと同時に、近年ではこうしたシステム領域においてもIoTをはじめとする先進デジタル技術の導入が進んでおり、システム基盤にもより高い拡張性や柔軟性が求められるようになってきた。こうした要請に応えるために、日信ITフィールドサービスでは以前から仮想化基盤を積極的に導入してきた。具体的には、主にヴイエムウェア製品を用いた仮想化基盤を構築し、日本信号のビジネスニーズに応じて迅速に仮想サーバー環境を構築・提供できる体制を整えてきた。

しかし、日信ITフィールドサービス ソリューション事業二部 次長 宮島晃氏によれば、サーバー・ストレージ・ネットワークの3階層アーキテクチャで構築した当初の仮想化基盤には、課題も多かったという。

「製品の保守期間が約5年間で切れるたびにシステム全体を再構築する必要があり、そのたびに膨大な手間やコストが掛かっていました。この課題を解決する手段を模索する中で浮上してきのが、『ハイパーコンバージドインフラ(HCI)』でした。HCIなら老朽化したノードをクラスタから外して、代わりに新しいノードを追加するだけで容易にシステムをアップグレードできるため、より簡単にシステムの拡張や入れ替えを行えるのではないかと考えました」


NutanixとLenovoの技術が融合した
HCI製品「Lenovo ThinkAgile HXシリーズ」を採用

そこで、3階層アーキテクチャの仮想化基盤の製品保守切れが迫ってきた2017年、次期仮想化基盤を、HCIを使って構築すべく、具体的な検討を始めることにした。さまざまなHCI製品を比較検討した結果、最終的に同社が採用を決めたのが、米Nutanix社のHCIソフトウェアとLenovoのサーバーハードウェアを組み合わせたHCIアプライアンス製品「Lenovo ThinkAgile HXシリーズ」だった。

同製品を選んだ理由について、宮島氏は次のように話す。

「NutanixはHCIの草分け的存在であり、実績や信頼性において2017年当時は群を抜いていました。これにハードウェアメーカーとして世界的に知られるLenovoのサーバーが組み合わされることで、高い信頼性が得られると考えました。また価格面でも、極めてコストパフォーマンスが高かった点も決め手の1つになりました」

こうして同社は2017年、当時の最新モデルであった「Lenovo ThinkAgile HX3310」を4台導入。このプラットフォーム上にヴイエムウェアの仮想化環境を構築し、日本信号の生産系システムのための仮想サーバー4台を構築した。容易に仮想サーバーを構築できる自由度に加え、柔軟にシステム規模を拡張できるスケーラビリティの高さが利用者の間で評判を呼んだ結果、瞬く間に仮想サーバーの数が増えていった。

分析基盤のためのサーバーやセキュリティ対策のためのサーバー、IoTゲートウェイのサーバーなど、短期間の内にさまざまな用途の仮想サーバーが次々と立ち上がり、当初の予想を超えて年間20%もの勢いでリソースの使用量が増えていった。そこで2018年8月、当初導入したモデルの後継機種である「Lenovo ThinkAgile HX3320」を2台追加導入することになった。

その結果、旧モデルと最新モデルが同一クラスタ内に混在することになったが、何の問題もなく稼働したという。同社 ソリューション事業二部 一課 内田将司氏は、「かつての3階層アーキテクチャと比べはるかに容易にシステムを拡張できた」と述べる。

「弊社では仮想化ソフトウェアとしてヴイエムウェア製品を利用していたため、ハードウェアとNutanixソフトウェア、ヴイエムウェアのミドルウェア間のバージョン依存を整理するのに少し手間取った部分もありましたが、ノードそのものの追加作業はとても簡単でした。リソースが足りなくなれば単純にノードを追加するだけでキャパシティを増強できるため、非常にシンプルに使えると思います」


旧モデルを新モデルに入れ替えてシステム規模を柔軟に拡張

以降、新旧モデル計6台のLenovo ThinkAgile HXシリーズが混在する仮想化環境を運用し続けてきたが、2022年に当初導入した4台の旧モデルが保守期限を迎えることになった。またこの時点でリソース使用率が60%を超えており、このまま利用を続ければ近いうちに70~80%に達してキャパシティ不足に陥る恐れがあった。そこで旧モデル4台を最新モデルに入れ替えるとともに、追加導入した2台のスペックもこれを機に増強することになった。

早速2022年1月からリプレース作業の検討を開始し、スペックやキャパシティのサイジング、機器の調達・評価、作業計画の策定などを進めていった。技術面における詳細な検討や事前検証作業、本番環境の構築などをLenovoが行うと共に、新旧モデル間の仕様の差異に起因する移行リスクなどもあらかじめLenovo側で一通り洗い出し作業を行った。

さらには、今回のノード入れ替えと同時に行ったヴイエムウェア製品のバージョンアップ作業もLenovo側に依頼をした。そのため日信ITフィールドサービス側では、プロジェクトマネジメントや移行作業に伴うシステム停止の社内調整、ネットワーク環境の調整といった各種の管理・調整業務に専念することができたという。

「Lenovoには2017年に初めてHXシリーズを導入した時からずっとサポートしてもらっており、もともと弊社の環境を熟知されていたので、今回のリプレースでも安心して作業をお任せする事ができました。また3階層のシステムをマルチベンダーで構成するのとは異なり、Lenovo1社にすべてをお願いできたため、ベンダーマネジメントも非常に楽でしたね」(宮島氏)

本番環境のリプレース作業は、2022年4月に実施した。土日にシステム全体を停止し、2回に分けてノードの入れ替え作業を実施したが、一部のノード切り離し作業に予想を上回る時間を要した以外は、概ね計画通りに順調に進んだ。

老朽化したノードの追加・切り離しはストレージが自動的に拡大・縮小・最適化されるため、仮想環境を停止することなく実行。従来の移行準備や、 作業、リスクが大幅に軽減。バージョンアップ作業も1ノード毎ローリングアップデートをすることで仮想環境は停止せず実行。

新ノードに入れ替え後も、システムは極めて安定して稼働しているという。システムを運用する上では、Lenovoのサポートサービスにかなり助けられていると宮島氏は話す。

「Lenovoのプレミアムサポートを契約しているため、ハードウェアに何か問題が生じたり、クリティカルな障害が発生した際には、Lenovoから弊社側に連絡してもらえることになっています。もちろん弊社でもシステムの監視は行っているのですが、夜間や休日も含めて常時目を光らせておくことは難しいので、Lenovoのサポートサービスがあるおかげで安心してシステムの運用ができています」


今後もHCIの優れた拡張性を生かしながら 長期的に利用し続ける予定

今回のノード入れ替えに合わせてシステム規模も拡張したため、キャパシティにはかなり余裕が生まれ、リソース利用率も3~4割まで減った。しかし今後もさまざまなシステムの仮想サーバーがLenovo ThinkAgile HXシリーズ上で新たに構築されることが予想され、早くも将来的なリソース増強も視野に入れているという。

「利用者からは、仮想サーバーの新たなニーズがあった際に迅速に応えられるよう、常にキャパシティには余裕を持っておいてほしいと依頼されています。そのため今後も継続的にシステム規模を増強していくと思いますが、その際にもLenovo ThinkAgile HXシリーズならノードを追加したり入れ替えるだけで容易に利用者のニーズに応える事ができるので安心して使い続けることができます」(宮島氏)

同社では今後も継続して中長期的にLenovo ThinkAgile HXシリーズを使い続けることを前提に、その運用方法をさらにブラッシュアップしていきたいとしている。

「この仮想化基盤を今後も長期的に運用し続けていくためには、運用ノウハウを持つ若手エンジニアを育成していく必要がありますし、運用をさらにシンプル化してコストを抑えるためにNutanixの独自技術や仮想化ソフトウェアを活用することも視野に入れておきたいですね。そうした将来構想を実現していく上でも、Lenovoには今後とも手厚い支援を是非お願いできればと思います」(宮島氏)


日信ITフィールドサービス株式会社
ソリューション事業二部
次長
宮島晃氏

日信ITフィールドサービス株式会社
ソリューション事業二部
一課
内田将司氏


この課題を解決した製品・ソリューション

  • Lenovo ThinkAgile HX3320

    信頼性と拡張性に優れたレノボのサーバーにNutanixのソフトウェアを搭載。

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