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ThinkStation完全検証

GPUが命!Lumionによる3Dアニメーション製作の極意とは?

BIMの普及で注目を集めている分野がある。建物を3Dデータをもとに3Dアニメーション等で表現する「建築ビジュアライゼーション」だ。立体の図面よりもわかりやすく、動きまで表現できるため建築物の理解を深めやすい。中でも比較的に手軽に作成ができ、短い処理時間で3Dアニメーションが作成できるソフトウェア、Lumion 3D(ルミオン3D)に注目が集まっている。そこで、プレゼンテーション用に3Dアニメーション製作を数多く手掛けているNext Picture株式会社の冨田和弘氏に、Lumionについて、さらに3Dアニメーション製作に適したハードウェア構成をうかがった。

GPUのパワーでビジュアルを作り出すLumion

LumionとはオランダのAct-3D社が開発したBIM/建築3次元用プレゼンテーションソフト。3Dのビデオの作成が短時間で行えることが特徴で、図面の中を縦横無尽に飛び回り、しかも建物ならば人物を配置し、人の動きまで表現した3Dアニメーションを短時間で作成できるソフトになっている。また建物のデータはRevitを始めとするBIMでのモデルをダイレクトに読み込むことが可能である。
短時間かつ高速に作成できるため、他のソフトであれば設定をある程度決め打ちで長時間かけてレンダリングしていたものが、このソフトウェアではリアルタイムで編集しながら最終レンダリング状態を確認できるようになった。そのため、細かな設定を変更しながら編集が進められるという特徴がある。
処理はグラフィックボードのパワーに大きく依存したものとなっており、CPUやメモリーの量を標準的なものにしてさえいれば、高速で高性能なGPUを使えば使うほどレンダリング処理時間の短縮が見込めるというソフトウェアになっている。
また、3Dアニメーション部分の製作だけでなく、ポストプロダクション過程までほとんどできることもLumionの特徴で、BGMの挿入まで可能となっている。

Lumionに関する詳しい情報はこちらをご参照ください

  • 周囲の状況や通行人や街を走る自動車はもとより、太陽と陽光が与えるイメージまで表現して高速処理が可能。建物データはRevitから取りこんでいる
  • 周囲の状況や通行人や街を走る自動車はもとより、太陽と陽光が与えるイメージまで表現して高速処理が可能。建物データはRevitから取りこんでいる

周囲の状況や通行人や街を走る自動車はもとより、太陽と陽光が与えるイメージまで表現して高速処理が可能。建物データはRevitから取りこんでいる

  • 樹木や人物を挿入しても高速で描画できる。人物には動きもあり、よりリアルな3Dアニメーションとなっている
  • 樹木や人物を挿入しても高速で描画できる。人物には動きもあり、よりリアルな3Dアニメーションとなっている

樹木や人物を挿入しても高速で描画できる。人物には動きもあり、よりリアルな3Dアニメーションとなっている

短時間で3Dアニメーション製作ならLumion

Next Picture株式会社 代表取締役の冨田和弘氏

Next Picture株式会社 代表取締役の冨田和弘氏

お話を伺った冨田氏はLumionを3年以上前から使いこなしており、最初から3Dアニメーション目的で使いはじめたという。LumionのGPUを使ったハードウェアレンダリングという点を高く評価しており、処理の速さという点が最大の特徴としている。
冨田氏はLumionとともに「3ds Max」を使用したCPUレンダリング処理(以下、CPU処理)を併用しているが、レンダリングの処理時間が長いため、どちらで処理するかは納期や予算に合わせて選択している。例えば、コンペ用に3Dアニメーションを製作する場合、CGの作成にかけられる時間は1~2週間程度が多く、この期間では上映時間が3~4分のものはCPU処理では難しく、Lumionを選択するという具合だ。
また、CPU処理でやっていては、修正の要望があった場合の対応も難しかったが、LumionのGPUを使ったハードウェアレンダリングでは処理時間の点から対応もしやすく、その際も明らかに早くできる。建物のクオリティをはじめ個々の仕上がりの質という点ではCPU処理が上だが、時間が限られる中で無理をしてCPU処理で作った動画と、修正や微調整を行う余裕があるLumionのハードウェア処理では、全体の仕上がりの質という意味ではそれほど差が出ない。しかもコスト面で優位という。
冨田氏によれば「短期間ならこのソフトを使うしかない」とのことだ。

ライブラリーとニーズ次第で高速化

冨田氏によれば、Lumionの得意とするものはライブラリーにあるものを活用した3Dアニメーション。通常ならば描画をすると処理に膨大な時間がかかってしまう周囲の樹木、建物内の人物がある。
Lumionのライブラリーから選んだ樹木や人物であれば、樹木が500本、人物が500人いても、リアルタイム毎秒10フレームほどで動くとのこと。もちろん、人物は静止しているのではなく、それぞれに動きのあるものとなっている。レンダリング前の段階で、この程度の動画がリアルタイムで表示できれば、修正はもちろん、細かく設定を追い込んでいく作業にも支障はないという。
また、ライブラリーも近年、充実が進んでいる。Lumionはがオランダの会社が作っているため、もともとヨーロッパに見られる樹木や人物が多く入っているが、人物ではアジア人とされたデータが増えており、樹木についても樹種が大幅に拡充され、日本人が見ても違和感ないビジュアルに仕上がるよう更新されているという。

Next PictureがLumionを使って製作した3Dアニメーション。樹木や芝生があり、建物内の人物も動いている

Next PictureがLumionを使って製作した3Dアニメーション。樹木や芝生があり、建物内の人物も動いている

しかし、逆にライブラリーの依存度が高いこともLumionの弱点となる。人物ライブラリーの「アジア人」はどちらかというと日本よりも気候が温暖な場所の人たちを想定して作成されており、日本の建物の登場人物としては少々違和感があるとのことだ。種類も多くないため、同じ風貌の人が多く登場してしまうことは仕方ないという。
樹木についても同様で、ライブラリー内に希望に沿ったものがあればよいが、設計者が樹木の種類や形状にこだわられてしまうと対応しにくい。ライブラリーにないものを外部から持ってきて埋め込むことも可能だが、それを増やしていくと動作やレンダリング処理が遅くなる。
そのため、冨田氏は3Dアニメーションの受注をする際は、樹木や人物について十分にクライアントに理解を求めた上で進めるという。シンボルツリーなど、どうしても建物の表現に必要なもの以外はなるべくライブラリー内で済ませるようにすることが、Lumionの特徴を活かして短時間で3Dアニメーションを作成する基本だとしている。

ハードウェアレンダリングの速さを極めてほしい

前述したとおり、CPU処理に比べて圧倒的に早い処理を見せるLumion。冨田氏はその速さや使い勝手を「いじったとおり目の前で変わってくれる」と評価する。そのため、3Dアニメーションの勘所を押さえておけば、短期間で使いこなすことができるという。
現在はレンダリング処理をして、3Dアニメーションとして仕上げたものをプレゼンに利用するようにしているが、今後はプレゼンの場でリアルタイムに動画を表示させる場面も多くなり、エンドユーザーの要望を聞きながら、修正したものをその場で見せていくということも多くなると冨田氏は予想する。特に決断力のある企業のマネージメント層に直接プレゼンをするようなシーンでは、強力なプレゼンツールになるとしている。
そして、冨田氏の希望は、Lumionにはこのまま処理の速さを維持してほしいということ。将来のバージョンアップで機能を増やしたとしても処理が遅くなってしまえば、Lumionのメリットがなくなってしまう。
また、CPU処理するソフトウェアでも、コンピュータの性能が上がるとともに、大企業など分散レンダリングができる環境があればレンダリング処理の時間が短くなる。環境さえ整っていれば、Lumionでしかできない設定を変えながら仕上げていくという方法も可能になってしまうからだ。

Lumionを使うにはグラフィックスに投資を

最後に、冨田氏にLumionを使いこなす上で必要なスペックを伺った。まず、必要なのは処理能力の高いグラフィックボードで、NVIDIA Quadro K4200クラスが望ましいとのことだ。そして、さらに高性能なNVIDIA Quadro K5200を導入できる余裕があるならば上を狙うべきとしている。

ThinkStation P500とQuadro K4200 / K5200

ThinkStation P500とQuadro K4200 / K5200

その理由として、K4200でひととおりの処理が不満のない速度でできるものの、比べてしまうと明らかにK5200が上となる。冨田氏の経験では、処理時間にしてK5200に対してK4200は1.5~2倍の時間がかかってしまったとのことだ。
グラフィックボード以外のスペックについては、現在の基本的なワークステーションならば問題ないとしている。CPUは4コアあればよく、あとは動作クロックが高ければ高いほどよい。具体的には動作クロックの早い4コアCPUを幅広く選択できるThinkStation P300。そして、消費電力の大きなグラフィックボードでも対応できる強力なシャシーを持ったThinkStation P500あたりが適しているという。
メモリーもLumion単体なら8GBで快適に動作する。しかし、他のソフトウェアからデータを引き継いだりすることも十分に想定されるため、Lumionのほかに必要なソフトウェアが十分に動作するメモリー量は搭載しておかなければならないことが指摘された。1台のワークステーションがLumionしか使わないということもないので、他のソフトウェアが求めるスペックを考慮しながら選ぶと良いとしている。

Lumion 3Dにお勧めの構成

モデル

ThinkStation P500

ThinkStation P300

プロセッサー

インテル Xeon E5-1620 v3プロセッサー(3.50GHz/4コア)

インテル Xeon E3-1281 v3プロセッサー(3.70GHz/4コア)

グラフィックス

NVIDIA Quadro K4200またはK5200

NVIDIA Quadro K4200

メモリー

8GB~16GB

8GB~16GB

Next Picture株式会社Next Picture株式会社

〒150ー0001 東京都渋谷区神宮前4-11-14 カメリアコート105

「エモーショナルな表現でクライアントに感動を与える」「それがデザインの理解を深め、仕事を受注する鍵となる」
このコンセプトを元にNext Pictureではあらゆる手法を用いて表現を追求します。
3D主体のVisualizationをベースに五感に訴えるコンテンツ制作を目指し、プレゼンテーションの「見える化」により、クライアントにデザイナーの意志・コンセプトを明快に伝えるお手伝いをします。

URL:http://www.next-picture.co.jp/

製品情報

  • ThinkStation P300 Tower

    インテル® Xeon® プロセッサー E3-1200 v3 ファミリー搭載。機能拡張に対応するエントリー・ワークステーション。

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  • ThinkStation P500

    ワークステーションスペックにYogaモードとペンタブレット機能を追加したクリエイティブ・モバイル。

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