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急増するデータ量・処理量の課題を解決するブレード型サーバー

データ量と処理量がますます増大する今、社内やデータセンターに多数のサーバーを置く企業にとって、サーバー選びは頭の痛い問題となっています。そのような企業にレノボが提案するのが、インテル® Xeon® プロセッサー搭載のブレード型サーバー「Lenovo Flex System」です。ラック型よりも収容効率が高く、電力と空調を節約でき、配線作業も楽になります。10年先を見据えたハードウエア設計になっているので、長期のIT基盤整備計画を立てられる利点もあります。そして、このLenovo Flex Systemを含むレノボ製x86サーバーの運用管理にぴったりなのが、システム管理ソフトウエアの「Lenovo XClarity」です。上位管理層とも連携できるので、統合的な運用管理ができます。

収容効率も電力/冷却効率も高く配線の工数も少ないブレード型

レノボ・ジャパン株式会社 データセンター・グループ事業本部 製品本部 本部長 工藤磨 氏

レノボ・ジャパン株式会社 データセンター・グループ事業本部 製品本部 本部長 工藤磨 氏

世界のデータ量はますます増えており、それを処理するためのサーバーにかかる負荷も日増しに増大しています。企業コンピューティングではデータの保管場所にも配慮する必要があることから、"所有から利用へ"のパブリッククラウドだけでなく、オンプレミスで大量のサーバーを自前で設置するケースも多いです。そこで、最小の費用で最大の効果を上げるには、CIOやITプロが"サーバーの目利き"になる必要があります。

「データセンターの限られた面積にたくさんのサーバーを詰め込みたい、電力や空調の効率をとことん高めたい、配線作業にかかる工数を減らしたい。このように望まれる企業には、インテル® Xeon® プロセッサーを搭載した弊社のFlex Systemを第一にお勧めします」。こう語るのは、レノボ・ジャパンの工藤磨氏です。

IBMからx86サーバーの事業を受け継いだレノボが現在販売しているサーバーには、ハイエンド型、ブレード型、ラック型、タワー型、高密度型、コンバージド型の6種類があります。

Lenovo Flex System は、この中のブレード型に分類される製品です。業界標準のラックの中にシャーシと呼ばれるボックスを取り付け、そのシャーシの中にブレード(刃)と呼ばれるコンパクトで高性能なサーバー(コンピュートノード)を差し込む仕組みになっています。

ブレード型と他の型との最大の違いは、このシャーシの中にネットワークや電源ラインなどの配線が"作り付け"てあることです。また、サーバーの内部を冷却するためのファンもシャーシ側にあらかじめ用意されているので、その分、サーバー本体となるブレードを小型化できます。

ブレード型は追加時の作業が楽 標準機としての使用もオススメ

一方、使用する側にとってのブレード型サーバーの利点は、「台数を追加する際の運用作業が楽」(工藤氏)という点にあります。

ビジネスが順調に伸びている企業の場合、増大するデータ量と処理量をまかなうためにサーバーやストレージの追加に迫られることは多いです。

そこで、増設に要する手間や工数が大きなサーバーであればあるほど、総保有コスト(TCO)がかさんでしまうことになります。「ブレード型のサーバーを“スタンダード購入機”と定めて、導入検討から設置までの期間と工数を最小限にしている企業もあります」と、工藤氏。一定期間内のIT費用の総和を最小限にするには、このような導入方法が効果的だといいます。

また、追加する際の運用作業が楽、というブレード型サーバーの特長を最大限に発揮させることを狙って、IBMとレノボは製品のライフサイクルを極めて長く設定しています。2012年に登場したLenovo Flex Systemは、IBM時代からの通算でみれば2代目となる機種。初代のIBM BladeCenterは今から14年前の2002年に登場しており、現在でも多くの企業で現役として稼働しています。同じように、「Lenovo Flex Systemも10年先を見据えた設計になっている」(工藤氏)のが特長です。流行に合わせてIT投資の基本方針をひんぱんに替えるやり方と比較して、長期的には高い投資収益率(ROI)が見込めるでしょう。

10Uの高さに14台まで設置可能 2P~8Pの幅広い選択肢から選べる

このような特長をすべて兼ね備えた Lenovo Flex System は、4種類のブレードと2種類のシャーシ、および、ネットワークスイッチとストレージで構成された製品群になっています。

用意されているブレードは、インテル® Xeon®プロセッサーを2個搭載したモデル(2P)、4プロセッサーモデル(4P)、8プロセッサーモデル(8P)の4種類。もっとも小型の Lenovo Flex System x240 M5 の場合、10U高のシャーシに14台まで装着できるので、1U高のラックマウント型に比べて収容効率は40%も高くなる計算です。

また、特に大きな処理量を必要とする用途向けに8プロセッサーモデルが用意されていることも Lenovo Flex System ならではの特長です。「以前は多くのサーバーメーカーが2Pから8Pまでのブレードサーバーを出荷していたのですが、現在、ここまでの品ぞろえをしているメーカーは弊社以外にほとんどありません」と、工藤氏。戦略が長期的にぶれないサーバーなら、企業にとっても長期のIT基盤整備計画を立てやすくなることでしょう。

シャーシは、一般企業向けの「エンタープライズ」(AC給電/DC給電)と通信事業者向けの「キャリアグレード」(DC給電、NEBSレベル 3とASHRAE 4に対応)の2種類。どちらのシャーシにも6台の電源ユニット、10台の冷却ファン、4台のネットワークスイッチを装着できるようになっているほか、各種ファブリックに対して100Gb/s対応の結線がなされています。冷却機能は左右2系統のゾーンに分かれていて、必要な部分のみを冷やす仕組みです。各ブレードからネットワークスイッチまでの経路は等長になるように設計されているので、将来考えられる高速ネットワークにも対応でき、シャーシの買い替えが発生しないため投資保護が実現できます。

Lenovo Flex Systemのポートフォリオ

Lenovo Flex Systemのポートフォリオ
2プロセッサーから8プロセッサーまでをカバー。通信業界向けのキャリアグレードシャーシも用意されている。

ネットワークスイッチとして選択できるのは、Ethernet、コンバージドFCoE(Fibre Channel over Ethernet)、ネイティブFibre Channel、Infinibandのそれぞれです。Ethernetの帯域幅は1Gb/s、10Gb/s、40Gb/sの3種類、Fibre Channelの帯域幅は8Gb/sと16Gb/sから選択可能です。ソフトウエアキーによる切り替えでポートの数を段階的に増やしていけるFeatures on Demand方式を採用しているので、ビジネスの成長度合いに合わせてネットワーク構成を変えるのも容易です。

ストレージについても、構成は用途によって選択できる自由度があります。

基本形は、ブレードの内部にハードディスクを取り付けるスタイル。これにPCI Express対応のフラッシュメモリードライブを追加するには、ブレードと同じサイズで作られている Lenovo Flex System PEN(PCIe Expansion Node)をシャーシに差し込み、このPENのPCIeスロットにフラッシュメモリードライブを装着していけばよいのです(PENにはGPUカードも装着可能)。また、さらにストレージ容量が必要な場合はブレードと同サイズの Lenovo Flex System SEN(Storage Expansion Node)を追加して、そのSENに設けられているディスクドロワーのスロットにハードディスクを装着します。このほか、IBM Storwize、EMC VNX、NetAppなどの業界標準のSAN(Storage Area Network)製品と組み合わせて容量をさらに拡張することも可能です。

もちろん、Software Defined Storage(SDS)の単一仮想記憶システムプールを使った資源管理にも対応しています。

Lenovo製サーバーのハードウエア管理に特化したLenovo XClarity

レノボ・ジャパン株式会社 データセンター・グループ事業本部 製品企画部 ソフトウェア製品担当部長 北村有史 氏

レノボ・ジャパン株式会社 データセンター・グループ事業本部 製品企画部 ソフトウェア製品担当部長 北村有史 氏

この Lenovo Flex System の運用管理に欠かせないのが、システム管理ソフトウエア「Lenovo XClarity」です。その特長を「XClarityはFlex Systemやxシリーズなどのサーバーハードウエアの監視・管理に特化した製品になっています。その代わりに、上位管理層との連携機能を充実させました」と説明するのは、レノボ・ジャパンの北村有史氏です。

中核となるのは、サーバーハードウエアの設定管理・OSとファームウエアの導入および更新・仮想マシン管理を担当する「Lenovo XClarity Administrator」です。管理できるサーバー製品は Lenovo System x シリーズのM4/M5/M6/X5/X6、Lenovo NeXtScale シリーズ、Lenovo ThinkServer シリーズ、Lenovo Flex System のそれぞれ(すべてインテル® Xeon® プロセッサー搭載)。このソフトウエアはVMware/Hyper-V対応の仮想アプライアンスとして作られているので、管理対象サーバーにエージェントソフトウエアをインストールする必要はなく、エージェント組み込みのために稼働中のサーバーを停止させなくてもよいのです。

システム管理ソフトウエア「Lenovo XClarity Administrator」

システム管理ソフトウエア「Lenovo XClarity Administrator」
REST APIにも対応し、Lenovo XClarity Integrator for VMware vCenter またはMicrosoft Windows PowerShellで上位管理層と連携できる。

運用管理の作業で使うコンソールは、直感的で操作しやすいWebになっています。管理対象のサーバー、ストレージ、ネットワークスイッチなどの状態はすべてここに表示されるので、多数のサーバーを運用している企業でも管理工数は最小限に抑えられるはずです。Lenovo XClarity Administrator の画面から管理対象サーバーをリモートコントロールできたり、Lenovo XClarity Mobile を組み込んだiOS/Androidスマートフォンから管理対象サーバーを管理できたりと、ネットワーク経由のリモート管理機能も充実しています。

Lenovo XClarity Administratorの管理コンソール

Lenovo XClarity Administratorの管理コンソール
管理対象サーバーをリモートコントロールしたり、iOS/Androidスマートフォンから Lenovo XClarity mobile で管理対象サーバーを管理したりできる。

上位管理層との連携には、「Lenovo XClarity Integrator for VMware vCenter」またはMicrosoft Windows PowerShellやREST APIが利用できます。Lenovo XClarity Integrator for VMware vCenter の方は、VMware vCenterの管理コンソールから Lenovo XClarity の管理機能を利用できるようにするためのプラグインモジュール。Microsoft Windows PowerShellは最近OSSとなったので、LinuxやUNIXとの管理連携にも期待が持てそうです。

このほか、Lenovo XClarity にはサーバーの消費電力を統合管理するための「Lenovo XClarity Energy Manager」というソフトウエアも含まれています。

データ量と処理量の急増に対処するには、どのようなサーバーを用意すればよいのか。そのような悩みをかかえる企業にとって、ブレード型サーバー「Lenovo Flex System」は最小の費用で最大の効果をあげられる最高の選択肢となるに違いありません。

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