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特集

ThinkPad 選ばれる理由

ThinkPadと生み出す明日の薬

「世界中の人々の健康の向上を実現すること、もうそれに尽きます」

事業内容について尋ねると情報システム部長の須田真也はシンプルにそう答えた。

最近は外資系企業と勘違いされることも多いというが、アステラス製薬は2005年に前身である藤沢薬品工業と山之内製薬の合併により発足。病院などで医師から処方される医療用医薬品に特化し、海外での売上比率、そして従業員数約1万7000人のうちの外国人比率がいずれも6割以上を占めるというグローバル企業だ。

「ターゲットは世界です。ただし、すべての国というわけではなく、私たちが見ているのは疾患・病気です。例えば、日本ではほとんど需要はないけれども、新興国が抱えているような疾病に対する解決策などにも取り組んでいます」

PROFILE

アステラス製薬 情報システム部長
須田 真也 氏

1992年に千葉大学大学院薬学研究科修了後、山之内製薬(現アステラス製薬)入社。2005年の会社合併時には、IT統合の推進を担当した。また08年から10年まで、英国の欧州子会社IT部門に出向。欧州ITインフラ運用のアウトソーシング展開を担当する。現職は、情報システム部長。

医薬品業界では一般的に研究開発費に多額の予算が必要になる。同社もその例に漏れず、ここ数年は売上高比で約18%もの研究開発費を投じている。

「いまだ満たされていない医療ニーズをアンメット・メディカル・ニーズといいます。今なおアンメット・メディカル・ニーズは数多く存在しており、それらのニーズに応えるのが私たちの使命であり、研究開発を続けていくしかありません。医薬品は最初の研究段階から申請して承認されるまでに10年前後の期間が必要です。研究者たちは10年、15年先を見て開発を進めています」

一方で須田は、グローバルでの業務の標準化と高品質化を推進する業務システムやITインフラの構築を担う。

「私たちの部門のミッションは情報に価値を与え、適切に流通させることによりアステラスの医薬品開発と提供に貢献するというものです。そのためにグローバルでインフラはどうあるべきかをディスカッションしロードマップを作って、パソコン関係やネットワークなどさまざまなモノの標準化を進めてきました」

その際にグローバルで標準パソコンとして採用するのがThinkPadだ。全従業員数をカバーする約2万台を使用する。

「当社では1996年前後から標準パソコンとしてThinkPadを使用しています。ただ当時はその時々のモデルを購入しており社内にいくつかの機種が混在していました。2001年頃から、より効率を高めるための機種統一を国内、グローバルと順次進めてきました。

社内からはもっと薄さや軽さを重視したものを、という声もあります。しかし、私たちは使いやすいことはもちろんですが、壊れにくいこと、グローバルでのメンテナンス体制やまた法規制対応、情報セキュリティー対策など、すべてにおいて万全であることが必要です。今、それらの要件を満たしてくれているのがThinkPadというわけです。また、短期間で一斉に多くの台数を導入するため初期の品質にはかなり厳しい要求をします。このときにもし故障が起きれば大変なことになります」

同社は標準パソコンの入れ替え期には、日本国内だけでも約9000台をおよそ3カ月で一気に導入する。そして、およそ3年毎に同一機種のThinkPadを導入するようになり約15年が経過した。これまでに大きなトラブルは起きていないという。

「例えばセキュリティーに対しては、こうじゃないと業務上の要件を満たさないという話はレノボ社に対してもお伝えしています。壊れないことは大前提ですが、同様に気にするのが仮に社員全員が外に持ち出したとしてもセキュリティー上の心配がない環境をいかにパソコン単体で作り上げるかというところです」

ノートパソコンを導入したにもかかわらず、セキュリティー上の問題で外部への持ち出しを禁止にしている企業も多くある。最後に須田はこんな思いを話した。

「私たちの業界ではMR(医薬情報担当者)が外で情報提供するのが仕事です。情報端末を持っていなければ仕事にならない。安心して持ち出せる環境作りがとても大事です。私自身、1992年の入社時は研究所の配属でしたが、当時のIT担当が私たちのところに来て、『うちの営業はこんなの持ち歩いているんだ』って誇らしげにその頃使われていたノートパソコンを見せてくれたこと、いまだに覚えていますね」(敬称略)


現在同社が標準採用するのがThinkPad X260(インテル® Core™ i5 6200を搭載)。須田氏はThinkPadのサービス体制についてもこのように話す。「日本国内だけならきちんとやってくれる会社もありますけど、日米欧アジア、グローバルでサービスとして提供してくれる会社は選択肢としては本当に少ないのです」。外に持ち歩くということが意味するのは社外に出るというだけでなく、国外に出るという意味でもあるというわけだ。

(文:藤野 太一/写真:栗原 克己)

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