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特集

ThinkStation完全検証

最適スペック選びは、やはり利用形態を整理してから

では、最新のVectorworks 2015に最適なThinkStationはどのモデルで、どのようなスペックが好ましいのだろうか。動作環境に入っているグラフィックボードやマルチコアCPU、大きめのメモリー容量などなどハイスペックであればそれで良いかというと必ずしもそうではない。 最近のソフトウェアの利用と共通するところであるが、パソコンのスペック選びは使うソフトウェアの特性や利用形態をまず整理した上で、利用形態に合わせたスペック強化が必要だ。利用形態に合わせて変化するところはまず、CPUの最大動作周波数を重視するか、コア数を重要視するかを決め、あとは動作に見合ったメモリー容量、必要なだけのストレージ容量、そしてグラフィックボードとなる。

Vectorworks 2015とThinkStation P300/P500

Vectorworks 2015とThinkStation P300/P500

ThinkStation P300とThinkStation P500とでは搭載できるCPUが異なり、上位となるThinkStation P500のほうがより高性能なCPUを搭載できる。ただし、今は高性能だからと言って必ずしも動作周波数が上なわけではなく、コア数が多くなるマルチコアに向いたソフトウェアと、動作周波数がパフォーマンスを稼いでいるソフトウェアでその傾向が異なってくる。次に今回の64ビット化でさらに重要度を増すメモリー容量だが、扱う容量が大きくなることにより、データが必要とするメモリー容量が実装メモリーを追い越してしまい、実装メモリーで不足する分は仮想メモリーに頼ることになってしまう。仮想メモリーはHDDなどストレージとメモリーの間で頻繁なデータの移動が発生するため、パフォーマンスを十分に発揮できなく恐れがある。
そのため、64ビット化の恩恵を受けるためには、特にメモリーを多めにするなどスペックを高くすることが快適な作業環境を整えることが重要。スペックは高めに構成することが望ましい。
一方でグラフィックボードの選択も重要だが、処理によってRenderworksレンダリングのようにCPUへ依存度が高い処理と、OpenGLレンダリングのようにグラフィックボードへ依存度が高い処理がある。
OpenGLレンダリングは3Dオブジェクトの回転や、建物の中を歩き回るような動きを伴うレンダリングを得意とするため高速なグラフィックボードを使用することで、レンダリングの応答性が向上し、滑らかな画面表示が出来る。また、1GB以上のV-RAM、影などの拡張機能を使用するためにOpenGL 2.1に対応したボードを選択してほしい。

メモリーやCPUの動作周波数を重視したい

具体的には、A&Aの福原氏のよる測定結果の表を見てほしいが、例えばCPU依存度の高い「仕上レンダリング」の速度はCPU、メモリー、の順に速度が変化していることがわかる。

テストマシン構成

Low1

Low2

Low3

ThinkStation

P300

P300

P500

CPU

型番

インテル® Xeon®
プロセッサー
E3-1241 v3

インテル® Xeon®
プロセッサー
E3-1241 v3

インテル® Xeon®
プロセッサー
E5-1650 v3

動作クロック

3.50GHz

3.50GHz

3.50GHz

ブースト時の最大クロック

3.90GHz

3.90GHz

3.80GHz

コア数

4

4

6

キャッシュ

8MB

8MB

15MB

メモリー

16GB

8GB

8GB

グラフィックボード

NVIDIA®
Quadro® K620

NVIDIA®
Quadro® K620

NVIDIA®
Quadro® K620

Renderworks編(メモリー/CPU依存)

仕上レンダリング

14:15:00

16:35:02

12:05:12

アートレンダリング(筆/水彩)

6:15:00

6:24:23

6:04:17

陰線消去レンダリング(3Dハッチングモデル)

0:00:38

0:00:42

0:00:52

著作表示:Courtesy of Stephan Mönninghoff, extragroup GmbH

著作表示:Courtesy of Stephan Mönninghoff, extragroup GmbH

テストデータの概要

データ容量:129MB
光源点数:8個
画面表示倍率:240%

CPUをインテル® Xeon® プロセッサー E5-1650 v3とすることで最大のパフォーマンスを得ているが、それよりも8GB→16GBの増量による速度変化に注目してほしい。CPUや本体のクラスを上げることよりも低コストで良好な結果を得ることになっている。
「アートレンダリング(筆/水彩)」や「陰線消去レンダリング(3Dハッチングモデル)」についても同様で、メモリー増量の効果が良くでている。面白い傾向が出ており、メモリー量やCPUの動作クロックへの依存度が高いせいか、メモリーが多ければインテル® Xeon® プロセッサー E3-1241 v3でも高速という結果が出ている。

テストマシン構成

Low2

High2

ThinkStation

P300

P500

CPU

型番

インテル® Xeon®
プロセッサー
E3-1241 v3

インテル® Xeon®
プロセッサー
E5-1650 v3

動作クロック

3.50GHz

3.50GHz

ブースト時の最大クロック

3.90GHz

3.90GHz

コア数

4

4

キャッシュ

8MB

8MB

メモリー

8GB

8GB

グラフィックボード

NVIDIA®
Quadro® K620

NVIDIA®
Quadro® K2200

Vectorworks編(グラフィックボード依存)

スケッチレンダリング(試案)

0:03:47

0:03:43

著作表示:© 2014 Nemetschek Vectorworks, Inc.

著作表示:© 2014 Nemetschek Vectorworks, Inc.

テストデータの概要

データ容量:181MB
光源点数:31個

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