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製造現場の高度な計算処理にはワークステーション

仕事の現場で使われるコンピューターに「ワークステーション」と呼ばれるカテゴリーの製品があります。一般的に“PC”や“パソコン”と呼ばれるコンピューターと同じように、OSにWindowsが使われていたり、似たような(Intel x86系の)プロセッサーを搭載していたりして、何が違うのか分かりにくいかもしれません。しかし、ワークステーションは“ワーク”の名が付くとおり、仕事で使うための高い信頼性や耐久性はもちろんのこと、特別な性能をいくつか持っていることがPCとの大きな違いです。

2D/2D CAD、設計モデルからリアルな画像を生成するレンダリング、各種解析やシミュレーション、さらにはVRやAI、ディープラーニングの取り組みが始まっている製造業をはじめとして、様々な業種においてますます高度なコンピューティングが求められる現場に必要不可欠なコンピューターなのです。

ワークステーションの特別な性能とは?

その特別な性能とは、ワークステーションやサーバー用のハイエンドなプロセッサーを搭載することができ、さらに、独立グラフィックスや大容量ECCメモリーを搭載可能であることが主なところです。

プロセッサー

主にサーバーに使われるインテル® Xeon® プロセッサーを搭載でき、高い信頼性と高い性能を得ることができます。インテル® Xeon® プロセッサーのラインアップは多岐にわたりますが、単に動作周波数が高いだけではありません。PC用のプロセッサーにはない多いコア数で並列処理をスムースに行うことや、プロセッサーを複数搭載てさらに高い処理能力を得ることも可能です。

メモリー

最大メモリー数やメモリー容量が一般のPCよりも大きく、例えば解析/シュミレーションなど多くのメモリー容量を必要とする処理にも対応します。また、データに誤りがないかをチェックし、検出した場合には自動的に訂正するECC(Error Checking and Correction)メモリーの搭載も可能です。長時間の作業成果が瞬時に失われてしまうようなリスクを極限まで低減されます。

そして、近年急速に求められている計算処理能力があります。それは「GPGPU」への対応であり、これもワークステーションが得意とするところの一つです。

シミュレーションや解析、人工知能、ディープラーニングはGPGPUで活用

当初は二次元の図面を描くことがメインだったCADソフトウェアも、部品名称、材質、硬さや厚み、表面処理など様々な属性データが付加され、さらに、その図面をもとにさまざまなシミュレーションを行うことが可能になりました。熱の流れを計算してみたり、実際に製品として使った場合の金属疲労をシミュレーションしてみたりと、今やCADでできる範囲は設計だけにとどまりません。

このようにコンピューター上でシミュレーションすることで、実際に試作品を作って試すというこれまでの方法よりも、大幅に時間やコストを削減できます。さらに、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)の技術を使えば、仮想的に試す方法もさらに充実し、試作品を作る前にできることが拡がるでしょう。

また、さらなる効率化や品質向上のため、AI(人工知能)や脳の機能を実現するニューラルネットワーク、さらにそれを発展させたディープラーニングといった技術が、製造業の現場でも導入が検討されていますが、いずれも実現するためには膨大な計算処理が必要です。

そのような場合コンピューターに求められる機能がGPGPU(General-Purpose computing on Graphics Processing Units)です。

GPGPUとは、画像を画面に表示するための計算機能をもっているグラフィックスユニットを、計算処理にも使おうという技術。最新の高性能グラフィックスにはそのような機能を備えており、ソフトウェアが対応しさえすれば、コンピューターのプロセッサーと合わせて非常に高度な計算処理が可能になります。

連続的で単純な計算処理を得意とするメインのプロセッサーに対して、GPGPUは並列的で複雑な計算処理を得意としています。特に威力を発揮するのがシミュレーションであったり、AIやディープラーニングといった機械学習における計算処理です。

高性能グラフィックスと、それを扱える設計が求められる

3基のファンで各所へエアーの流れを誘導するTri-Channelクーリング

GPGPUを実現するためには、GPGPUに対応した高性能なグラフィックスユニットを搭載する必要があります。レノボのワークステーション「ThinkStation シリーズ」や「ThinkPad P シリーズ」は高性能グラフィックスのなかでも、定評あるNVIDIA Quadroを搭載することができます。

高性能グラフィックスは消費電力が大きく、負荷をかけると発熱量も増えるため、強力な電源と排熱設計が重要です。ThinkStaion シリーズはエントリーからハイエンドまで幅広くラインアップし、製品クラスにマッチした高性能グラフィックスを搭載可能。いずれも電力供給と排熱設計を高いレベルでクリアしています。

上位機種では、冷却性能を高めるために、3つのエアーの流れを効果的に活用するTri-Channelクーリングを採用しており、中でも最上位モデルの ThinkStation P910 は、現時点でNVIDIA Quadroシリーズ最高クラスのグラフィックボードNVIDIA Quadro P6000や、GPGPUにより特化したNVIDIA Quadro GP100を2基搭載可能できるシャシー設計になっています。このように ThinkStation シリーズは、高い信頼性をもち、排熱性能、電源容量とともに最高クラスのGPGPUを実現することを可能としています。

また、ノートPC型のモバイルワークステーション、ThinkPad P51/P71 はモバイルながら大きな発熱に対応した設計として「FLEX パフォーマンス・クーリング」を採用し、グラフィックス、プロセッサーともに十分に冷却できる性能を持っています。

モバイルワークステーション ThinkPad P シリーズ 安心の性能

ノートPCのスタイルながら、長時間のレンダリング処理などを行ってもしっかり排熱が行われ、熱による処理能力ダウンが起こりがちなモバイルマシンでも、安定して最高のパフォーマンスを発揮します。

高い信頼性とそれを裏付ける数々の認証取得、Quadro VR Readyの認証も

さらにワークステーションの最大の特徴のひとつが、ISV認証です。主要ISVベンダーやグラフィックスカードベンダーとの強固なパートナーシップのもと、様々な構成での動作検証を行い、パフォーマンス面、サポート面を通してお客様に安心を提供します。

また、VRの利用を推奨されたNVIDIA社のQuadro VR Readyの認証を取得したモデルも、デスクトップからモバイルまで多数ラインアップしています。

ThinkStationシリーズのISV認証についてはこちら
VR Ready ワークステーションラインアップ

レノボなら用途や予算で選べる多彩なラインアップ

高度な処理ができるワークステーション。レノボなら多彩なラインアップの中から、用途や予算に合わせて選ぶことができます。デスクトップ型の ThinkStation シリーズは、エントリー機種である ThinkStation P310 シリーズなら、デスクトップPC並みのコンパクトな筐体のSFF(スモール・フォーム・ファクター)もご用意。一般のPCと同程度の価格から入手可能です。

そして、最高クラスの ThinkStation P910 は、ハイエンドグラフィックスボードNVIDIA Quadro P6000やNVIDIA Quadro GP100を2台同時搭載することができ、常にグラフィックボードが処理をし続けるという状況でも安定して動作し続ける設計になっています。

一方で、モバイルワークステーションのラインアップも充実しています。よく持ち歩くなら、薄さ20mm以下、重さ1.8kgという薄型軽量モデルの ThinkPad P40 Yoga や、Lenovo Power Bridgeテクノロジーにより、稼働状態のままのリアバッテリーの交換を可能にする ThinkPad P51s がおすすめ。反対にパフォーマンスを最優先するなら、NVIDIA社のQuadro VR Readyの認証を取得した最新機種、ThinkPad P71 まで揃っています。

レノボのラインアップを使えば、ThinkStation P310 シリーズと大きな外部モニターを使って設計作業を行い、社外での打ち合わせ等に持ち運びが必要な人は、モバイルワークステーションの ThinkPad P シリーズを使う。一方でレンダリングや解析、シミュレーションといった複雑な処理は、ハイエンドな ThinkStation P910 を使って大幅に時間短縮して設計コストを削減する、といった組み合わせも可能。現場のさまざまな場所に適したシリーズを使うことが可能です。

柔軟に選べるラインアップの豊富さもレノボのワークステーションの特徴の一つです。

関連資料

「レノボ・ワークステーションが選ばれる理由」ご紹介用リーフレット(2.75MB)

「ワークステーションとPCの違いとは?」ご紹介用リーフレット(2.24MB)

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